ウォリスフトゥナ料理

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【基礎情報】

国名:ウォリスフトゥナWallis and Futuna、首都:マタウトゥ、ISO3166-2国コード:WF/FR-WF、非独立国(フランス海外準県)、公用語:フランス語、通貨:パシフィックフラン

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【地図】

ウォリスフトゥナは太平洋の南半球にある島国です。海域は、北がツバル、東がサモア、南がトンガ、西がフィジーと接しています。

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◆知られざる南国の、フレンチポリネシアンの美食

ウォリスフトゥナは、太平洋の南半球部分にあるフランス領のポリネシア人の国。1つの国は2つの地域に分けられ3つの島をもちます。ウォリスは東のウベア島で、フトゥナは西のフトゥナ島とアロフィ島。ウォリスとフトゥナは230 km離れています。公式数値では年間観光客数はわずか100人(隣国トンガは5万人)で、観光インフラが大変少なくてまだまだ不便な国ですが、だからこそ、行けばポリネシア3000年の歴史を感じるどころか、強烈なカルチャーショックさえ受けるほど文化を残している国です。料理の美味しさの点では、「ポリネシアナンバーワン」の座を仏領ポリネシアと争うかもしれません。

ウォリスフトゥナ
教会での祭事。外は無数の焼かれた豚が並び、中は村人の手料理が並ぶ。(撮影地バイトゥプ)

3つの島にはそれぞれに王国があります。19世紀に住民の争いがあったときに宣教師がフランスに保護されることを勧めたことから、3つの王国が順次まとまってウォリスフトゥナになりました。最初はニューカレドニアと同じ管轄下でしたが、やがて民意でニューカレドニアから分離します。今3つの王国はフランスの統治を通じて互いに調和しながら平和に共存しています。付け加えると医療費も教育費も無料という楽園です。

住民は先住のポリネシア人と、仕事や研究などでやってくるフランス人です。ウォリスとフトゥナは民族性が若干異なっていて、ウォリス人はトンガ系民族で(※正確にはウォリスから移動した人の末裔がトンガ人なのでトンガ人がウォリス系民族と言うほうが適切でしょう)、一方でフトゥナ人はサモア系です。どちらの文化も似ており、日常会話はフランス語ではなく地元のポリネシア系言語で、かやぶきの家、庭で豚が飼われ、ココナッツを採り、タロイモを育て、カヴァを飲むことなど、フランス人が居住していてもポリネシア文化がよく保存されています。

伝統的な食べ物は、タロまたはカペ(タロイモ)、メイ(パンノキの実)、ウフィ(ヤムイモ)、プカカ(バナナ)、ニウ(ココナッツ)、プアカ(豚)、モア(鶏)、イカ(魚)、フェケ(タコ)などなど。ウムというポリネシアに広く伝わる地中蒸し料理もあります。

でも、ウォリスフトゥナ料理がすごいのは、単にポリネシア伝統料理だけではく、世界筆頭の美食の国すなわち「フランス」が加わることです。フランス本土から食材が輸入され、物資は少ない国ながらも、バターやワインビネガーやスパイスを使うフレンチの味付けも庶民に広まっています。ラタトゥイユ用冷凍野菜パックセットという便利なフランス料理キットも売っているし、フランス領ですからバゲットもワインも多数あります。伝統を強く保持しながら、洗練さと美味しさを増した南国料理を食べられるだなんて、太平洋には島国が多数あれど、仏領ポリネシアとウォリスフトゥナの2つくらいではないでしょうか。

この国では村が持ち回りで祭り/儀式を開くので、渡航するなら祭事にタイミングを合わせると最高です。テーブルに大量に並ぶ村人手作りの祭事料理を山ほど食べることができ、上述の美味しい料理とテーブルワインにきっと舌鼓を打つことでしょう。

私の旅メモのウォリスフトゥナのページにはこう書いてあります。「ポリネシアナンバーワンの料理!!」と。今もそれは過言ではないと思っています。
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