【基礎情報】
国名:イタリア共和国、Italian Republic、首都:ローマ、ISO3166-1国コード:IT/ITA、独立国(1861年イタリア統一)、公用語:イタリア語、通貨:ユーロ。
【地図】
イタリアはヨーロッパの南部にあり、地中海に突き出る国です。本土となるイタリア半島のほか、大きな2つの島(サルジニア島とシチリア島)をもちます。
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◆イタリア料理は素材の味。そして料理に保守的な国。
イタリア料理は素材の色と味が引き立っていて、美味しいですね。フランス料理や中国料理のような、料理人の味付けや調味料の色が勝ってしまう料理と比較すると、イタリア料理は素材をそれほどいじらず、味付けは塩やオリーブオイルやトマトが主体で、あまり凝っていません。世界中の料理が手に入る今の時代でも、イタリア人がイタリア料理を食べているのは、彼らは料理に保守的で、イタリア料理に誇りを持っていることの表れのように思います。
イタリアでは加工肉(生ハムやサラミ)やチーズが人気です。(撮影地アルゲーロ)
イタリア料理の特徴は、冒頭にも書いたように、食材の色や味が鮮やかに表れることだと思います。トマトやオリーブオイルがよく使われ、特にトマトの多用から赤い料理が多くなります。魚介がたっぷり使われた白や黒の具材の料理も多いし、バジルなどの緑がくっきりと彩りをなす料理も多いです。
一方でイタリア料理は油っこいですね。オリーブオイルをたっぷりかけた料理やひまわり油でオイル漬けにした料理も多く、食卓にはオイルが置いてあって各自が好き好きにオイルをかけますから、シンプルな料理にはオイルがつきものであることを理解させられます。また、加工肉(生ハムやサラミ)やチーズも含めて塩漬けの調理法が多く、塩分が多いと思います。ただし、お酒を飲むようなときでも食卓には最初からパンが出されるので、案外炭水化物はしっかり摂っているのも、日本料理が「シメのごはん」を出すのと対比しても面白いですよね。
イタリアに行って、驚くことが1つあります。それは、スーパーの食品売り場の商品ラインナップの少なさです。日本であれば、「ナントカの素」ってすごく多いですよね。麻婆豆腐の素、トムヤンクンの素、プルコギの素、パエリアの素、カレーやシチューのルウなどなど。また、イタリアのバルサミコ、ベトナムの生春巻きの皮、フランスの白いチーズ、北欧のアンチョビなどなど、世界の料理食材も実に多い。これは、日本人が食に多様性を求め、諸外国の料理に関心を抱き、受容
性が高い民族であることの表れであると思います。複雑な味を簡単に食べたいという欲求も強いのかもしれません。
でも、イタリアに行くと、食品コーナーでは、トマトソースの種類の多さや、オリーブオイルやひまわり油などの油の種類の多さ、そして加工肉(生ハムやサラミなど)の種類の多さなどに目を見張るものがありました。一方で、「ナントカの素」の類は少なく、イタリアで売られるものは、圧倒的にイタリア料理の食材で占められています。そういうところからも、イタリアは食に保守的な国であることを感じるのです。
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主食 Staple
イタリア料理の主食はパネ(パン)です。お酒を飲むような食事の場でも最初からテーブルにはパンが置かれますし、国内には「パンの博物館」があるほどパンは伝統的かつ普遍的な食材です。しかし、率直に言ってイタリアのパンはあまり美味しくないように思えてしまう。パンが美味しい国のパンは、フランスパンやドイツパン、といったように、パンに国名がつくように思いますが、イタリアパンという言葉は、なるほど滅多に耳にしません。なおかつ、イタリア植民地または支配が及んだ国・・・例えばソマリアやエリトリアではパスタやピザが根付いたことからも、「イタリアの美味しい炭水化物料理」は、パンではなく、パスタやピザに軍配が上がったと思います。
イタリアの朝食では、買って数日間置いておける軽くて甘いパン(あるいはパンをジャムなどで甘くしたもの)が主食です。コルネット(クロワッサン)、フェッテビスコッターテ(硬いラスク)、まるでビスケットそのもののビスコッティなどがあります。
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料理名一覧 Food & Drink Glossary
【主食】
- コルネット(Cornetto)・・・クロワッサン
- パネ(Pane)・・・パン
- ビスコッティ(Biscotti)・・・ビスケットの一種
- フェッテビスコッターテ(Fette Biscottate)・・・硬いラスク
【パスタ類】
- パスタ(Pasta)・・・麺類の総称