テントゥク

  • 中国料理

  • 現地表記

    :འཐེན་ཐུག་(チベット語)

  • 概要

    :平麺と牛肉入りのスープ

テントゥク

テントゥクとはチベット語で平麺のことで、中国語では面片(ミェンペン)です。以前四川省→青海省→甘粛省と東チベットをめぐる旅をしたとき、地域に強く根付く「テントゥク」を場所を変えて食べ続け、研究しました。外国の粉モノ料理は日本での再現が難しいですが、それでも100回以上作ってやっと納得のいくテントゥクのレシピが完成しました!!! なお「チベット」とは知らないと難しい用語なので簡単に言うと、まず中国の行政で地域を区分すると33個あります(台湾を入れると34)。22(23)省、5自治区、4直轄市、2特別行政区。5自治区のうちの1つがチベット自治区です。でもチベット自治区の外にもチベット人居住地域は多く、青海省ほぼ全域と四川省の西半分がチベット族の州、甘粛省と雲南省の一部がチベット族の県です。私の旅ルートでは、青海省の玉樹(ユーシュー)までがカム、西宁(シーニン)以降がアムド。今回のテントゥクはアムドによくあるレシピに基づいています。

カムとアムドへ行こう、チベットへ行こう。そして私はテントゥクを食べてくる。

材料

2人分):
<テントゥクの麺>

水A
75 mL
塩A
小1/4
中力粉
100 g(※1)
強力粉
50 g(※1)
  • ※1:中力粉150 gだけでも美味しく作れます。強力粉を増やすと薄くきれいに伸ばしにくくなりますがコシが増します。配合は好みで変えてよいです。

<牛肉スープ>

水B
800 mL
マロニー(※2)
30 g
玉ねぎ
1/4個
トマト
1/2個
その他野菜(※3)
あれば少々
牛肉(※4)
100 g
鶏がらスープの素
小1/2
小3/4
味の素
小1/16
花椒(花山椒)
小1/3
醤油
小1/2
老抽(※5)
小1/3
辣油(※6)
大1~2
  • ※2:マロニーは現地の粉丝(フンスー)の代用です。
  • ※3:その他の野菜としては、きくらげ、長ねぎ、小ねぎ、チンゲンサイなど。
  • ※4:牛肉は薄切りにしてから食べやすく切るので、塊肉でも薄切り肉でもよいです。
  • ※5:老抽(ラオチョウ)は黒色が濃くて塩分が低い中国の醤油ですが、ない場合は省くか、塩分に気をつけながら日本の醤油を増やします。
  • ※6:日本の辣油でもよいですが、油泼辣子(ヨーポーラーズ)などのページを参考にして自分で手作りすると現地の風味に近くなります。

調理時間

(麺を寝かせる時間を除く)

作り方

  1. <テントゥクの麺生地をこねる>テントゥクを食べる2時間以上前に、ボウルに水A(75 mL)と塩A(小さじ1/4)を入れて塩を溶かし、中力粉と強力粉をいったん他の容器に入れて混ぜてからボウルに入れ、100回こねてからひとまとめにし、乾燥しないようにして1時間以上置いておく。
  2. 再度100回こねてからひとまとめにし、乾燥しないようにして1時間以上置いておく。
  3. <材料を切る>麺を寝かせている間に、マロニーを6~7 cmくらいの長さに切る。玉ねぎは薄切りにしてから2 cm長さに切り、トマトを1.5 cm角切りにする。その他の野菜も同様のサイズに切る。牛肉は薄切りにして1.5 cm幅の食べやすい長さに切る。
  4. <テントゥクの麺を作る>打ち粉(薄力粉など。分量外)をふった台に麺生地を置き、なるべく正方形になるように、厚さ1 cmになるまで麺棒で延ばす。
  5. 包丁で十字に4分割し、それぞれを厚さ1 mm以下になるまで麺棒で延ばす。
  6. 2 cm四方の正方形(あるいは似た大きさの長方形)に切り、なるべく重ならないように置いておき、テントゥク麺完成。
  7. <牛肉スープを作る>鍋に水B(800 mL)を入れて沸かし、沸騰したら青菜以外の具を鍋に入れて煮る(アクは取らなくてよい)。
  8. 鶏がらスープの素、塩、味の素、花椒パウダー、醤油、老抽を入れて混ぜ、味見をして塩加減などを好みに調える。
  9. テントゥクの麺と青菜を入れ、麺がくっつかないようにしながらぐつぐつと5分ほど煮る。
  10. 食べる器(丼)に辣油を大さじ1/2~1杯くらい入れる。
  11. 麺を味見し、生煮えでないことを確認したら、鍋の中身を器によそい、軽く混ぜて辣油を表面に浮かせて出来上がり。
  12. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 麺を延ばすときに打ち粉が多いと煮汁が濁るので、打ち粉を最小限にするよう心がけます。
  • 麺が少しでも厚いと食べ心地が悪くなるので、端まで均一に、目安としては厚さ1 mmを超えないように延ばします。
  • テントゥク麺を小さく切る作業は、細長く切ってから指でつまんでちぎってもよいです。
  • 野菜類を入れても良いですが麺がメインとなるよう、野菜類は控えめにします。
  • 好みで辣油を上からかけてもよいです。

Tips about cuisine

  • 「テントゥク」のチベット語(中国のチベット族の言語)の綴りは「འཐེན་ཐུག་」。
  • 「འཐེན་ཐུག་」(テントゥク)を英語アルファベット表記にすると「Thenthuk」などになる。
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