ドモダー

ドモダー

これを食べなければ世界の料理の探求は終わらない!! と私が常々思い描いてきた料理をやっと作るに至りました。西アフリカ西方を旅した人にとってはあちこちで見かけあちこちで食べた思い出の料理だと思います。ドモダーは特にガンビアに多く(その他セネガルやギニアビサウにも)居住するマンディンカ人での呼称(マンディンカ語)ですが、セネガルのマフェやシエラレオネのグランナッツスープやマリのティガデゲナなど、言語により呼び名を変えてあちこちに存在する料理です。西アフリカはピーナッツ(落花生)の生産地なので、そのピーナッツを使って料理を作ることはごく当然で。「料理1つから地球が見える」ことを実践してくれる、学びにもなる素晴らしい料理です。味も良し。日本で市販のピーナッツバターで美味しく作るよう研究されたレシピを是非作ってみてください。

材料

4人分):

無糖ピーナッツバター
90 g
熱湯(※1)
400 mL
玉ねぎ
1個
塊肉(※2)
300 g
サラダ油
大3(※3)
小1/2
唐辛子(※4)
1個
コンソメ顆粒(※5)
小1/2
こしょう
小1/4
トマトペースト(※6)
大1.5
老抽(※7)
小1
醤油(※7)
小1
味の素(※7)
小1/8
カイエンペパー
小1/5(※8)
  • ※1:市販の瓶詰めの無糖ピーナッツバターは水に溶けにくいので、事前にお湯でゆるめておきます。
  • ※2:肉の種類は問いません。基本的には獣の肉で作ることが多い料理なので、鶏肉は避けて牛肉あたりを使うほうが味わいが現地に近くなります。
  • ※3:サラダ油の量は現地レシピから見ると控えめですが、好みで加減してよいです。
  • ※4:唐辛子はあればシネンセ種のピマンを1個、なければ鷹の爪1本(切っていないもの)を使います。
  • やっと会えた。アフリカのあのすごい香りの「ピマン」栽培成功!

  • ※5:コンソメ顆粒は現地のMaggi(マギー)調味料の代用です。よって、あれば日本製でもよいのでマギーコンソメを使うとよいです。
  • ※6:トマトペーストはトマト缶から手作りできます。また使うものによってトマトの濃さがまちまちなので使用量を加減します。
  • トマト缶からトマトペーストを作る方法

  • ※7:「老抽(ラオチョウ)+醤油+味の素」の組み合わせは現地のMaggi arome(マギーアロマ、西アフリカ定番の醤油風旨味調味料)の代用です。老抽(ラオチョウ)は黒色が濃くて塩分が低い中国の醤油ですが、ない場合はオイスターソース少々で代用するか、塩分に気をつけながら日本の醤油を増やします。
  • ※8:カイエンペパーパウダーは辛さの好みによって加減します。

調理時間

作り方

  1. 耐熱容器に無糖ピーナッツバターを入れ、熱湯を注いで混ぜておく。完全に溶けなくてもよいが出来るだけゆるめておく。
  2. 玉ねぎをみじん切りにし、肉を2 cm角くらいに切る。
  3. シチュー用の鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、肉を入れ、肉の上に塩をふりかけ、よく炒める。
  4. お肉がよく炒められたら肉を鍋の隅によけて玉ねぎを入れ、よく炒める。
  5. 玉ねぎがくたくたにしんなりしたら、ピーナッツバター湯、唐辛子、コンソメ顆粒、こしょうを入れ、ピーナッツバターが均一に混ざるように混ぜる。
  6. トマトペーストを、様子を見ながら、赤い色が強くなりすぎない程度に加える。
  7. (辛いのが苦手ならこのへんで唐辛子を取り出す。)
  8. 老抽(ラオチョウ)と醤油を、様子を見ながら、黒い色が強くなりすぎず、しょっぱくなりすぎない程度に加える。
  9. 味の素を加える。
  10. 味見をして、ピーナッツバターの濃さ、塩加減、旨味加減などを好みに調え、好みの辛さになるようにカイエンペパーパウダーを加えて混ぜる。
  11. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 肉の種類は問いませんが、牛肉あたりが買い求めやすくて無難だと思います。現地にはイスラム教徒(豚肉忌避)もキリスト教徒(肉の禁忌がない)もいるし、山羊も羊も飼われているので、そういうあたりを理解しつつ肉を選ぶとよいです。肉はサイコロ状にカットできるよう、もも肉ブロックやカレー用の肉などを買い求めるとよいです。
  • お肉を柔らかく煮たい場合は、肉叩きで予め叩きます。
  • 玉ねぎのみじん切りは細かいほうがなめらかな仕上がりになります。
  • ソースをさらさらになめらかにする目的で、お肉とピマン(唐辛子)をいったん取り出してハンドブレンダーでなめらかにしてお肉とピマンを再び鍋に戻す方法もあります。
  • ピーナッツバターは大さじ1杯がおよそ20 gですが、大さじで正確に量るのが難しいので重量(g)で表記しました。
  • ピーナッツバターを熱湯に溶かすのが面倒ならば、鍋に入れてからよく混ぜて、溶け残りがないように溶かせばよいです。
  • 辛いのが苦手なら唐辛子を省いてもよいのですが、唐辛子は旨味と風味をつけてくれるので、できれば切らない丸ごとの状態の鷹の爪を少しの時間でも煮るとよいと思います。
  • 唐辛子は、できればピマン(シネンセ種のアフリカ唐辛子)を使うと、劇的にアフリカ味になります。
  • 唐辛子を切って煮込んでしまうと辛くなりすぎてしまうので、切らずに煮込みます。
  • ごはんに乗せて食べるのが一般的です。

Tips about cuisine

  • 「ドモダー」のマンディンカ語(ガンビアの最大民族、その他セネガルやギニアビサウに分布するマンディンカ族の言語)での綴りは「Domoda」または「Domodah」。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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