アブゴレモノ

  • ギリシャ料理、キプロス料理

  • 現地表記

    :ΑυγολέμονοまたはΑβγολέμονο(ギリシャ語)

  • 概要

    :卵とレモンのカスタード状スープ

アブゴレモノ

アブゴレモノ(アヴゴレモノとも)は、アブゴが卵、レモノがレモンに由来する料理名で、卵液にレモン果汁を混ぜることで生まれるカスタード状のふわふわを味わうスープです。欧州の料理、それから欧州支配を強く受けた中南米の料理などには、具沢山で美味しいスープを作ったあと、具と汁を分けて食べる様式がいたるところで定着しています。アブゴレモノの場合も、まずは骨付きチキンと香り野菜で美味しいスープを作っておき、具とスープを分けたあとでスープのほうに卵レモンのカスタードを溶き入れて、ふわふわで爽やかな酸味のある美味しいスープをいただきます。だからこのスープに入る具はお米だけ。鶏肉や野菜は別皿のおかずになります。暑い夏にはレモン果汁で爽やかに。でもお米が入ってとろとろで冷めにくいスープなので、寒い冬にも元気UP! 「酸っぱ美味」なふわふわカスタードスープは、作るのはほぼ放置、最後にレモンと卵を混ぜたものをスープに混ぜる程度の少ない手間なので、簡単!おすすめです!

材料

4人分):

玉ねぎ
1個
セロリ
1本
1 L
骨付き鶏肉(※1)
500 g
小1/2
ベイリーフ
2枚
白こしょう(※2)
小1/8
1/4 C
レモン(※3)
1個(※3)
2個
イタリアンパセリ(※4)
刻んで大2
  • ※1:鶏肉は美味しいダシが出る骨付きを使うのが一般的です。今回は手羽元を8本使いました。
  • ※2:白こしょうがない場合は普通のこしょうを使います。
  • ※3:レモンの美味しさを味わう料理なので生レモンを使います。ない場合はポッカレモン大さじ3杯で代用できます。
  • ※4:イタリアンパセリは仕上げのトッピングなので、なければほかの緑野菜でもよいし、省いてもよいです。

調理時間

作り方

  1. <スープと米の準備>玉ねぎは皮をむいて、根元をつなげたまま縦4つ割にし、セロリは食べやすい長さに切る(5~7 cmくらい)。
  2. 鍋に水、玉ねぎ、セロリ、骨つき鶏肉、塩、ベイリーフ、白こしょうを入れて強火にかけ、沸騰したらフタをして弱火にし、ときどき中を混ぜながら1時間煮る。
  3. 煮ている間に米を洗い(研がなくてよい)、水に浸けておく。
  4. スープの味見をし、「美味しいチキンスープ」と思えるよう、塩加減などを調える。
  5. (ここまでを食べる前日に、ここから先を食べる30分前に始めるとよい。)
  6. <仕上げ>スープを温め、煮凝りや固まった油が完全に溶けたらベイリーフを取り出して捨て、鶏肉と野菜をザルに取り出す(ザルから落ちる水分はあとでスープに戻すので捨てない)。
  7. 水気を切った米を鍋に入れ、ときどき混ぜながら15分煮る。
  8. その間にレモンを切り、飾り用のスライスを取り分けて、残りのレモンを絞って果汁を得る。
  9. 卵をボウルに割り入れ、泡だて器でしっかりと溶き(泡立てが目的ではないので泡立てない)、レモン果汁を大さじ3杯くらい加えて泡だて器でふわふわと均一になるように混ぜ(極力泡立てないで)、レモンカスタードを作る。
  10. イタリアンパセリの葉を刻んでおく。
  11. ザルに取り出した鶏肉と野菜を個々の皿に盛り付け、ザルから落ちたスープを鍋に戻し入れる。
  12. お米が生煮えでないことを確認してから、熱いスープをお玉1杯くらい(約60 mL)レモンカスタードに加えて均一に混ぜ、もう一度お玉1杯くらい加えて均一に混ぜ、レモンカスタードを全量鍋に入れ、均一に混ぜる。
  13. 混ぜながら3分ほど煮て、沸騰直前まで温度を上げてクリーミーにしてから火を止める。
  14. 味見をし、塩加減や酸味加減を好みに調える。
  15. 器によそい、イタリアンパセリをトッピングし、レモンスライスを添えて出来上がり。
  16. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 鶏肉や野菜から美味しい味が引き出されるほどこのスープは美味しくなり、米が十分に水を吸っているほど仕上がりも美味しくなります。また急いで作るほど味わいが引き出せません。よって、食べる前日に具を1時間煮て、米を水に浸けておき、食べる20分くらい前に仕上げを開始することを勧めます。
  • この料理は「酸っぱ美味しい」のが身上なので、酸っぱさが感じられるように作ります。
  • 私の調理では、最初1 L加えた水が、1時間の煮込みを終えて具を取り出したら870 mLになっていました。重さ148 gのレモンから飾り用スライスを取り分け、残りを絞ったら果汁が45 mL取れ、それを全量加えて丁度良い酸味でした。
  • レモン果汁は仕上げではなく卵のカスタード化の段階で加えるため、「様子を見てまずは半分だけ加えて出来上がったら味見をして適宜追加」といった調整がしにくいです。よってあまり酸っぱすぎないようにしたい場合はスープの量とレモン果汁の量をそれぞれ量り、上の記録を参考にして精密に調理し、スープとレモンの自分好みの比率を決めていきます。
  • レシピ通りに作っても、「もっと酸っぱい」ほうが好みかもしれないので、予備のレモン果汁(またはポッカレモンなど市販品)を用意しておくと安心です。
  • 取り出した野菜は鶏肉のエキスを吸って美味しいのですが、鶏肉はエキスを放出して旨味が減っています。そこで、マヨネーズやアリオリ(にんにくマヨネーズ)を添えていただきます。アリオリ(にんにくマヨネーズ)はマヨネーズとチューブにんにくを混ぜて即席で作ったものでも美味しいです。

Tips about cuisine

  • 「アブゴレモノ」(またはアヴゴレモノ)のギリシャ語(ギリシャ、キプロスの公用語)の綴りは「Αυγολέμονο」
  • 「Αυγολέμονο」の音価は「a v g o l e m o n o」が「アヴゴレモノ」で、日本語表記でヴェトナムやヴァチカンをベトナムやバチカンと書くのにならって「アブゴレモノ」。なお「υ」は単独ではイと発音するが、前に「α」(ア)と後ろに「γο」(ゴ)がつく場合は「アブゴ」になる。
  • 「Αυγο」(アブゴ)は卵の意味の「αυγό」(アブゴ)に由来し、「Λέμονο」(レモノ)はレモンの意味の「λεμονι」(レモニ)に由来する。ただしギリシャ語では2単語複合語の場合、単独の2単語にはない新しい意味が生じることがあり、「Αυγολέμονο」(アブノレモゴ)もその例で、単に卵レモンという意味ではなく「エッグノッグ」(卵とレモンのカスタード状)という意味が生じている。
  • 「アブゴレモノ」は「Αβγολέμονο」と表記されることもある。
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