カルボナードフラマンド
この暗色の見た目の煮込み料理は、ごろごろお肉の黒ビール煮です。「黒ビール煮」だなんて日本の家庭では滅多に作られない料理でしょうし、コクと苦みを感じる黒ビールをたっぷり使って煮るだなんて、調理中は出来上がりの味が想像もできないのですが、出来上がって食べてびっくり。美味しくて美味しくて、お肉も柔らかくて、それからこれを食べてくれた人も美味しさにびっくりしてくれます。少しビターな大人の味に、「大人テーブル」の雰囲気が上がります♪ 途中で加えるマスタード粒が、食べている途中で口の中でプチっとはじけ、これがまた美味しいのです。
材料
(4人分):
- 玉ねぎ
- 2個
- にんにく
- 5かけ
- サラダ油
- 大2
- 牛塊肉(※1)
- 500g
- 塩
- 小1/2
- こしょう
- 小1/2
- 薄力粉
- 大3
- 黒ビール
- 500mL
- 水
- 1C
- マギーコンソメ
- 1個(※2)
- 黒糖(※3)
- 大1
- トマトピューレ(※4)
- 大1
- ベイリーフ
- 2枚
- シナモンパウダー
- 少々
- クローブホール
- 3粒
- 白ワインビネガー(※5)
- 大1
- 粒マスタード
- 大1/2
- バター
- 大1
- ※1:牛の塊肉は煮込むと柔らかくなるものを使うため、ローストビーフ用は不向きです。入手しにくい場合は、カレー用の角切り肉を使うか、豚ブロック肉でもよいです。
- ※2:マギーコンソメは1cm立方のもの1個を想定していますが、カップ1杯のスープを作れる量なら、顆粒のものでも他の製品でもよいです。
- ※3:黒糖は現地のカソナードの代用です。
- ※4:トマトピューレを入れないレシピもあるので、なければ省いてよいです。
- ※5:白ワインビネガーがなければ日本の酢で代用します。
調理時間
:3 時間
作り方
:
- 玉ねぎを縦に4つ割りにして繊維を断つようにごく薄切りにし、にんにくをみじん切りにする。
- 煮込む鍋にサラダ油を入れて中火で加熱し、玉ねぎとにんにくを入れ、ときどき混ぜながら、じっくり炒める。
- 玉ねぎとにんにくを炒める間にお肉を1口サイズ大に切り、バットに入れ、塩とこしょうと薄力粉を上からまんべんなくかける。
- 肉をひっくり返し、バットに残った塩・こしょう・薄力粉を裏面にもつける。
- 鍋底に少し焦げ色がついたら木べらでこそげ落とし、また焦げ色がついたらこそげ落とし、を繰り返し、玉ねぎとにんにくがキャラメルのような茶色になるまで、およそ30分炒める。
- 玉ねぎとにんにくを端に寄せ、必要ならサラダ油を少々追加し、肉を敷き詰めて焼き色をつける。
- 肉をひっくり返して、鍋底についた焦げ色を木べらで落としながら、肉に焼き色をつける。
- 黒ビール、水、コンソメ、黒糖、トマトピューレ、ベイリーフ、シナモンパウダー、クローブを入れ、ときどき鍋底から混ぜながら弱~中火で1時間ほど煮る。
- その間に、薄力粉を使ったバットに水を少し入れ、残った薄力粉を水溶き状態にしておく。
- 水分が減って煮詰まってきたら、白ワインビネガーと粒マスタードを加え、全体を混ぜ、ときどき鍋底から混ぜながら弱火で更に30分ほど煮る。
- 味見をして、甘さ加減、塩加減、酸味加減を好みに調える。
- 更にとろみをつけたい場合は先ほど作っておいた水溶き薄力粉を加える。
- バターを加え、全体を混ぜ、ときどき鍋底から混ぜながら弱火で更に10分ほど煮て出来上がり。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- 牛肉を使うレシピが一般的で、現地では豚肉や馬肉を使うレシピもあります。赤身の牛肉(ローストビーフ用など)だと硬い出来上がりになるし、煮込んでとろける牛肉の塊は値段が高いし牛スジを使うのもちょっと違うので、牛塊肉が求めにくい場合、カレー用の角切り肉を使うか、豚バラ肉ブロックでも良いと思います。
- 玉ねぎとにんにくを炒めるとき、肉を焼きつけるときなど、鍋底に焦げ色がついてはこそげ落とすようにします。これが出来上がりの良い黒い色を作ります。
- 玉ねぎとにんにくを、しっかりと茶色くなるまで炒めると、出来上がりの味わいに深みが出て美味しくなります。ただし焦げて炭化すると苦くなるので注意します。
- 現地ではスパイス入りのパン(パンデピスなどと呼ばれる)を入れるのですが、その代用としてクローブとシナモンパウダーを加え、薄力粉をしっかりと加えています。
- トマトピューレを入れると赤い色合いが出て味も良くなるので現地でもよく使われますが、入れすぎると味がトマト煮になってしまうので、黒ビール煮の風味を壊さないよう、多く入れないようにします。
- もっとさらっとした煮汁にするレシピもあります。その場合は、玉ねぎを減らす、黒ビールを増やす、肉を取り出したあとのソースを一度ミキサーにかける、ソースを裏ごしするなどします。
Tips about cuisine
- 「カルボナードフラマンド」のフランス語(フランス、ベルギーの公用語)の綴りは「Carbonade flamande」または「Carbonnade flamande」。
- 「Carbonade」または「Carbonnade」(カルボナード)は「Carbon」(カーボン)すなわち炭火を使う料理という意味に由来する。「flamande」(フラマンド)はベルギー北部を示すフラマンを意味する。
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