バカリャウアゴメスデサ
ポルトガル料理においてバカリャウ(干し鱈)は基本中の基本食材とも言えるもので、様々な料理に用いられます。また、干し鱈は塩分を多く含むため、貯蔵性の高さから大航海時代以降の船の食糧としても重要で、それゆえ、新大陸(中南米やカリブ)にも干し鱈料理が存在し、干し鱈は世界の食文化を学ぶ上で、ポルトガルがもたらした大きな影響を語る重要食材です。バカリャウアゴメスデサは、「ゴメスデサ風のバカリャウ(干し鱈)」という意味で、鱈商人の息子のゴメスデサ氏が考案したレシピをもとに、今もポルトガルや元ポルトガル領の国に根付く料理です。日本では現地で使うような干し鱈は滅多に手に入らないのですが、生タラに塩をまぶして寝かし、その後塩抜きをすることで、塩により繊維に弾力が生まれて食感や味わいがかなり再現できます。干し鱈とじゃがいもの相性の良さは抜群です。美味しいので是非作ってみてください。
材料
(2人分):
- タラの切り身
- 150g
- 塩
- 大3
- 玉ねぎ
- 1個
- にんにく
- 1かけ
- パセリ(※2)
- 刻んで大2
- じゃがいも
- 3個
- 牛乳
- 大2
- 卵
- 2個
- オリーブオイル
- 大3
- 塩
- 適量(※3)
- こしょう
- 少々
- 黒オリーブ
- 数個
- ※1:干し鱈が手に入る場合は50~100g。生タラの切り身を使う場合は100~200gくらいを目安にします。干し鱈はあまり出回っていないので、ここでは生タラの切り身を使うレシピとしています。
- ※2:あればイタリアンパセリがよいです。パセリのかわりにコリアンダーの葉(パクチー)を使うレシピもあります。
- ※3:タラの塩加減により、加える塩の量はまちまちです。この写真の調理では小1/2を使いましたが、味見で決めるとよいです。
調理時間
:50 分(生タラを塩蔵する時間を除く)
作り方
:
- <生タラの塩蔵>前日に生タラに塩をまんべんなくまぶし、キッチンペーパーでくるんで、バットに置いて冷蔵庫で1晩置いておく。
- <調理当日>鍋にボウル1杯分の湯を沸かし、ボウルに移し、塩タラを10分間浸ける。
- タラを湯に浸ける間に、玉ねぎを繊維に沿って4つにくし切りにしたのちに繊維を断つように薄切りにし、にんにくとパセリをみじん切りにし、じゃがいもの皮をよく洗っておく。
- 塩タラを湯から引き揚げ(湯は捨てない)、水気をふき取り、すりこぎで軽くたたくなどしてタラをほぐす。
- タラの身から小骨や皮を取り除き、牛乳をかけて全体を混ぜておく。
- 鍋にたっぷりの水と塩タラの戻しに使った湯とじゃがいもと卵を入れ、火にかけ、沸騰後10分間ほどゆでて、ゆでじゃがとゆで卵を作る。
- ゆでている間にフライパンにオリーブオイルと玉ねぎとにんにくを入れ、透き通るまで炒める。
- ゆでじゃがとゆで卵を取り出し、じゃがいもは2等分に切って皮をはいでから角切りにし、ゆで卵の殻をむく。
- フライパンにタラの身を入れて炒め、続いてじゃがいもを入れて炒め、続いてパセリの半量を入れて炒める。
- 味見をして塩加減を確かめたのち、塩とこしょうで味付けをする。
- 器に盛り、スライスしたゆで卵、残りのパセリ、黒オリーブで飾って出来上がり。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- タラの塩のゆきわたり具合により湯通しで戻す時間も変わります。タラの身の弾力が残るように、タラの身に塩味が残るように戻します。
- じゃがいもを切るサイズはレシピによりまちまちです。この写真ではほくほくと食べられるように一口サイズに切りました。
- オーブンで焼くレシピもあります。
- ゆで卵をスライスする器具がない場合、糸を使ってスライスすることができます。そのほか包丁で粗く刻むレシピもあります。
Tips about cuisine
- バカリャウアゴメスデサのポルトガル語(ポルトガル、カーボベルデの公用語)の綴りは「Bacalhau à Gomes de Sá」。
- 「Bacalhau」(バカリャウ)は鱈、「Gomes de Sá」(ゴメスデサ)は19世紀のポルトガルの鱈商人の息子の名前、「à」は方向性や仕立てを指す単語で、「à Gomes de Sá」(アゴメスデサ)は「ゴメスデサ風の」や「ゴメスデサ考案の」という意味合いになる。
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