ケジェヌ

  • コートジボワール料理

  • 現地表記

    :Kedjenou(地元の言語)

  • 概要

    :お肉と野菜の無水煮

ケジェヌ

ケジェヌは「混ぜる」という意味をもつ、西アフリカのコートジボワールの国民食です。森の獲物や庭で走り回っていた鶏など、新鮮な肉というものは水を加えなくても十分に肉から汁が出てきて、濃厚な美味しさをもつジューシーなスープを生み出します。ケジェヌはお肉と野菜の水分だけで煮込む無水料理なのです。しかし日本で作る場合はそのようなさばきたてのお肉はなかなか手に入らないですが、スーパーで買うお肉で作る場合でも、せめてケジェヌの無水調理の背景を思い描きながら調理してみましょう。アフリカ人の料理ですから、分量は気にせずおおらかに作って大丈夫です。そしてアフリカらしく、せめてお肉は骨付きを使い、マギーコンソメも使い(※西アフリカでは異様なほど出回っている化学調味料系食材です)、味も雰囲気も近づけてみましょう。水を加えない無水調理なので旨味の凝集は素晴らしく、そして非常に美味しいです。そして何より、骨からほろっと離れるとろけるお肉がごちそうです。

材料

4人分):

玉ねぎ
大1個
緑ピーマン
1個
にんにく
5かけ
生姜
にんにく1かけ分
トマト
大2個
骨つき鶏肉(※1)
600 g
唐辛子(※2)
少々(※2)
コンソメ顆粒(※3)
小1/2~1
小1/2
こしょう
小1/16
  • ※1:鶏肉は骨付きが美味しいので、内臓を抜いた丸鶏のほか、手羽元、手羽先、骨付きもも肉などを使います。写真では鶏手羽先を使っています。
  • ※2:現地ではピマン(アフリカ唐辛子)というシネンセ種の香り高い唐辛子が使われます。なければ市販の乾燥ハバネロパウダー少々で代用するか、破らないように気をつけて鷹の爪を1本加えておきます。それもなければ省きます。
    やっと会えた。アフリカのあのすごい香りの「ピマン」栽培成功!
  • ※3:コンソメ顆粒は現地のMaggi(マジー)調味料の代用です。よって、あれば日本製でもよいのでマギーコンソメを使うとよいです。

調理時間

作り方

  1. <オプション>仕上げにスライスオニオンを飾りつける場合は、玉ねぎからスライスオニオンを切り出しておく。
  2. 玉ねぎとピーマンを粗みじん切りにし、にんにくと生姜はみじん切りにする。
  3. トマトを粗く角切りにし、トマトから出た汁ごと鍋に入れる。
  4. 骨付き鶏肉は関節で切り離すか、切り離すのが困難ならそのままの形でよいので鍋に入れる。
  5. フタをしてごく弱火で1時間加熱する。途中何回か、鍋底が焦げ付かないよう鍋底をひっかくようにして中身を返すように混ぜ、水分をほどよく煮詰めながら煮る。
  6. 調味料を入れて混ぜ、味見をして塩加減などを好みに調え、さらに10分ほど追加で加熱し食材と調味料をなじませる。
  7. 皿に盛り、好みでスライスオニオンを乗せて出来上がり。
  8. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 基本的には材料から出る水分で具を煮る料理です。水分がなくなると鍋底が焦げ付くので、必ずごく弱火にし、なおかつ途中で焦げつきのにおいが出たときに察知できるよう、鍋から離れないようにします。
  • さばきたての肉を使わない場合、肉から出てくる水分量が少ないので、少量の水を足してもよいです。
  • 外気温が低くて極度に弱火の場合、鍋の中が熱くならず水分が煮詰まらない可能性があるので、上手に煮詰まるように火加減を調えます。
  • ナツメグパウダーなどを加えるレシピもあります。
  • パームワイン(ヤシの木の樹液を発酵させた酒)を少量加えて作るレシピもあります。
  • 森の狩猟肉で作ることもあるレシピなので、ノウサギやアナグマなどの小動物が手に入ったときに作ってもよいです。

Tips about cuisine

  • 「ケジェヌ」のコートジボワールの地元の言語(アカン語など)の綴りは「Kedjenou」。
  • 「Kedjenou」をフランス語(コートジボワールの公用語)で読むと「e」が「ウ」と読まれることがあるため、「e」を「エ」と読ませるために「Kédjénou」のようにアクサンテギュ(/記号)をつけることがある。アクサンテギュは、何もなければ「ウ」と読まれてしまう「e」を「エ」と読ませるときの記号である。以下リンク先でも解説しています。
    ベルギーのサラダから、フランス語料理名におけるアクサン(éやè)が分かる
  • フランス語読みの基本ルールとして、「dj」は単子音で「ジュ」、「ou」は短母音で「ウ」なので、「Kedjenou」は「Ke」=ケ、「dje」=ジェ、「nou」=ヌ。これらがつながって「ケジェヌ」である。
  • 「Kedjenou」(ケジェヌ)は混ぜるや鍋を揺らすという、調理中の動作を示す用語である。
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