カルネアドバーダ
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国
:米国料理
 - 
現地表記
:Carne adovada(スペイン語由来の外来語)
 - 
概要
:豚肉の唐辛子マリネ煮
 
▼肉のほぐれ方に注目

▼フラワートルティーヤを作って食べる例



これは米国料理。お肉を唐辛子ソースでマリネする、ニューメキシコ州の名物料理です。ニューメキシコ州独自の唐辛子は日本ではそうそう手に入らないので、日本で同じ料理を作る夢は叶わないけれど、それでも日本で市販の材料でこの料理を作りたかった。これはそういう夢を叶えた代用レシピです。この料理のポイントはお肉を「キュア」(Cure)させる点にあるのですが、それはお肉の組織の中からしっかり脱水して引き締めて、牛肉がコーンドビーフになるのと同じ原理で豚肉をスジがほろほろにほぐれるテクスチャに変化させる料理です。そう、肉質がほろりと変わる、その変化に大感激! 一晩も二晩もかけて準備しますが、待つ価値がある料理です。メキシコ料理と共通する味わいがするのは、そう、ニューメキシコ州がもともとメキシコだったから(アメリカがメキシコに戦争で勝ったのでもらった土地(割壌地)です)。そういう歴史を感じて食べたら感動も倍増ですね。
材料
(4~8人分):
- 豚肉(※1)
 - 400 g
 - 塩
 - 小1
 - 玉ねぎ
 - 1/2個
 - にんにく
 - 2かけ
 - サラダ油
 - 大1
 - 薄力粉
 - 小1
 - パプリカパウダー(※2)
 - 大3
 - カイエンペパー(※2)
 - 小1
 - クミンパウダー
 - 小1/4
 - 乾燥オレガノ
 - 小1/2
 - 水
 - 300 mL
 - 酢
 - 小1
 - はちみつ
 - 小2
 
- ※1:豚の赤身の肉質を変えて食べる料理なので、なるべく脂身がない赤身の部分を使います。ただし脂身が少し入っても美味しいので多すぎなければよいです。
 - ※2:パプリカパウダーとカイエンペパーパウダーはニューメキシコ州唐辛子の代用です。辛さの好みによって配合比を変えてよいです。
 
調理時間
:(豚肉に塩やソースを漬ける時間を除く)
作り方
:
- <前々日(または1日前)>豚肉を3~4 cm角くらいに切り、塩をまんべんなくまぶし、フタつきの容器(またはビニール袋)に入れて冷蔵庫で寝かせておく。途中上下を返す。
 - <前日(または半日前)>玉ねぎとにんにくをみじん切りにする。
 - 豚肉が入るサイズのフタつきの鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、玉ねぎとにんにくを炒める。
 - 玉ねぎが色づいてきたら弱火にし、薄力粉をまんべんなくふりかけ、混ぜる。
 - パプリカパウダー、カイエンペパーパウダー、クミンパウダー、乾燥オレガノをまんべんなくふりかけ、混ぜる。
 - 鍋の中がねっとりとしてきたら水、酢、はちみつを加え、均一に混ぜる。
 - 味見をし、辛さ加減などを好みに調え、フタをして放置し、室温に冷ます。
 - ハンドブレンダー(またはミキサーなど)を使って中身を均一に混ぜ、アドバーダソース完成。
 - 豚肉を入れ、豚肉のすべての面がアドバーダソースと接触するようにし、豚肉を平らにならし、フタをして冷蔵庫に入れておく。途中ときどき上下を返す。
 - <当日>冷蔵庫から鍋を出して中火にかける。
 - オーブンを170℃で予熱開始。
 - 鍋の中が十分に熱くなったら、フタができるオーブン耐熱容器に中身を移し替える。
 - フタをしたまま170℃のオーブンに入れ、90分あるいは中のソースが煮詰まるまで加熱する。
 - Enjoy!
 
材料と調理のこつ
:
- 分量はトルティーヤに巻いて食べるなら8枚分くらいとし、8人分としました。ごはんにかけて食べると1人分100 gくらいになって4人分になるかもしれません。
 - 調理の実働時間は、豚肉に塩をふるのに5分、アドバーダソースを作るのに20分、オーブンで焼くのに100分、合計で1時間半ちょいになります。全調理工程は、1日目に豚肉に塩をふり、2日目に豚肉をアドバーダソースに漬け込み、3日目にオーブンで水分を飛ばすので、3日間を要します。もし豚肉に塩を振るのを1日目前半、アドバーダソースに漬け込むのを1日目後半にすれば、2日で完成します。
 - 塩をまぶして長時間置くことで肉をキュア(Cure)して食感を変える料理です。よって塩を肉になじませるのに1晩かけるとよいです。
 - ニューメキシコ州のレシピでは地元独自の唐辛子を使ってアドバーダソースを作るので、カイエンペパーパウダーとパプリカパウダーを配合したこのレシピは代用レシピです。ここではカイエンペパーパウダー:パプリカパウダーを1:9、すなわち小さじ1:大さじ3とし、辛味をカイエンペパーパウダー単体の1割に落としました。ただ、ニューメキシコ州の唐辛子にもマイルドタイプからホットタイプまで品種があり辛さの加減に決まりはないので味見をして好きな辛さに調えてよいです。
 - 肉から水分を逃さずにアドバーダソースを煮詰めていくので、フタつきのオーブン耐熱容器が重要です。私は手持ちのタジン鍋と調理用の耐熱ガラス皿でなんとかフタつき容器としました。もしどうしてもない場合は完璧に隙間なくアルミホイルをかぶせて蒸気で浮かないようにするなど工夫します。
 - オーブンでは、アドバーダソースが煮詰まった時点で加熱を止めるので、取り出すタイミングが見えるよう、容器かフタのどちらかが耐熱ガラス製だとよいです。
 - このレシピでは、出来上がったお肉をそのまま食べると塩分が強いように感じるかもしれませんが、現地でもタコスやトルティーヤで巻いて食べることが多いので、お肉少量を野菜類と合わせて主食と一緒に口にほおばります。塩を減らすとうまく作れないので、食べ方と食べる量で工夫するとよいです。
 - フラワートルティーヤのレシピは、≫こちら
 - 鮮やかな赤い色をつけたいときは食紅を少し加えるときれいです。
 
Tips about cuisine
- 「カルネアドバーダ」の綴りは「Carne adovada」。
 - 「Carne」(カルネ)は肉を意味するスペイン語のカルネ(Carne)がそのまま定着した外来語、「Adovada」(アドバーダ)は漬け込むことを意味するスペイン語のアドバーダ(Adobada)が綴り変化を起こして定着した外来語。よって「Carne adovada」(カルネアドバーダ)は「調味液に漬け込んだ肉料理」の意味になる。
 
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