フラワートルティーヤ

  • 米国料理、メキシコ料理、ベリーズ料理

  • 現地表記

    :Flour tortilla(フラワーが英語、トルティーヤがスペイン語)

  • 概要

    :巻いても折れない非発酵薄パン

フラワートルティーヤ

フラワートルティーヤ

薄い小麦粉の皮にハムやチーズを入れて巻いて温かくして食べる人気のコンビニ食「ブリトー」がありますよね。フラワートルティーヤはその外側の皮の部分です。あの薄さ、巻いても折れない柔らかさ、小麦の旨味、具を包んだあとの美味しさ、どれも魅力的で、私も是非日常的に作れるようになりたいと思って、もう100回以上作ってるんじゃないかな、次第に「簡単に美味しく出来る」方向でレシピが固定されてきたので、ここに記しておこうと思います。簡単に見える料理なだけに実は美味しく作るためのコツも多く、また巻いたときにパリッと折れるようでは失敗なので、下のコツ欄を是非お読みください。そして美味しいフラワートルティーヤが焼けるようになると、生地は短時間で作ることができるのでチーズを乗せてハムや野菜を巻くだけでみんなが喜ぶごちそうができますよ。2枚分レシピも6枚分レシピも、どちらも便利でよく使うので、両方掲載しておきますね!

材料

2枚分):

熱湯
40 mL
中力粉
80 g
小1/6
オリーブオイル
2~3 g

材料

6枚分):

熱湯
120 mL
中力粉
240 g
小1/2
オリーブオイル
6~10 g

調理時間

(2枚分)

作り方

  1. 熱湯を沸かす(使用量よりやや多めに沸かしておくとよい)。
  2. ボウルに中力粉と塩を量り、スプーンで混ぜて塩を均一に分散させてから、オリーブオイルを量り入れる。
  3. 熱湯を分量通りに入れ、スプーンで混ぜて粉が落ちないくらいにまとまったら、ボウルの内壁の生地をこすりおとしてひとまとめにする。このとき水分が足りずにこねにくい場合は湯を少し、水分が多くてこねにくいなら中力粉を少し足す。
  4. 作業台に取り出し、ムラが気にならない程度に最小限に練って、重さを量って正確に枚数分に分割する。
  5. 生地を小さな球にしてから一度潰して円盤状にし、フチを中に折り込んで、閉じ目が見えないようにくっつけ、きれいな球形にする。
  6. 生地と作業台に打ち粉を薄くふり、生地を潰して正円形の円盤状にしてから、麺棒を使って、直径23 cmくらいに薄く正円に延ばす
  7. 鉄フライパンなど厚手の素材のフライパンや鉄板を中火にかけ、温まったら生地を乗せ、スプーンやヘラで持ち上がってくる周囲を押し付けながら焼く。生地の表面が少し持ち上がって裏面にうっすら焼き色がついたらひっくり返し、浮いた周囲を押し付けながら焼き、生地の表面が持ち上がってきたらひっくり返し、生地が膨らんだら全体をスプーンかヘラで押し付けてから取り出す。
  8. 残りの生地を同様に延ばして焼く。
  9. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 所要時間を2枚で15分としましたが、これは生地を球状に分割するまでに10分、焼き時間を2枚で5分としたものです。この見積もりで6枚焼くと25分くらいで作ることができます。生地を延ばしたり焼いたりする時間に個人差があるので所要時間は増減します。
  • このレシピでは中力粉を使用しています。薄力粉で作ると美味しいもちもちさが足りないトルティーヤになり、強力粉では跳ね返りが強くて扱いにくい生地になるので中力粉がよいです。
  • 熱湯を使うことで、生地を混ぜたあとも蒸気が出て中からふんわりします。
  • 熱湯を使うことで、生地を混ぜる段階から小麦粉を加熱することになるので、生焼けの不味い味がしにくくなり、美味しく出来上がります。
  • オリーブオイルは、あればラードに変えると美味しいです。
  • 生地をこねるほどグルテンが生成してゴツゴツに硬いトルティーヤになってしまいます。こねるのは最小限にしてふんわりした食感にします。
  • 生地を分割するとき、目分量ではバラツキが出やすく、最終的に出来上がるトルティーヤの直径が変わるので、1 g単位が量れる量りを使って正確に分割すると出来上がりがきれいに揃います。
  • 生地を分割して球形にしたあとに表面が乾くと焼きムラができて失敗します。何かをかぶせるなどして保湿しておきます。
  • トルティーヤが厚いときれいに巻くことができないので、成型時はかなり薄く延ばします。
  • 焼くときは、普通のフライパンだと、火が当たる場所とそうでない場所で温度差ができてうまく焼けないので、厚手の鉄フライパン(スキレットなどでも)を使うか、ホットプレートのように中も端も温度が同じになるものを使います。
  • 強い火加減で焼くとトルティーヤの表面の水分が抜けて折れやすくなるので、火加減は中火くらいで焼きます(150~160℃くらい)。
  • 焼き時間の例:片面1分、裏返して1分〜1分30秒、返して30秒、返して30秒など。
  • 黒く炭化するような焦げができると失敗です。浅い茶色の斑点が数か所にできるような、きれいな焼き上がりを目指します。
  • 焼き上がったらフタができる鍋などに入れて、トルティーヤどうしで蒸らし合うようにし、柔らかさを保ちます。とけるチーズを巻くときは焼き上がりの最後にチーズを乗せ、とろけてきたら保温の鍋に移し、熱いうちにチーズを挟んで2つ折りにしておくと予熱でチーズがとけます。
  • たくさん焼いても、フタ付きの鍋に入れておけば、1日常温で置いていても、翌日は弱火で少し温め直す程度で美味しさ変わらずいただくことができます。

Tips about cuisine

  • 「フラワートルティーヤ」の現地の綴りは「Flour tortilla」。
  • 「Flour」(フラワー)は英語で小麦粉や粉類の意味、「Tortilla」(トルティーヤ)はメキシコなどで伝統的にはトウモロコシ粉で作られてきた非発酵薄パンで、これを小麦粉で作ったので「Flour tortilla」(フラワートルティーヤ)と呼ぶ。
  • 「Tortilla」はスペイン本土や南米では「トルティージャ」の発音になることが多いが中米では「トルティーヤ」の発音も多い。ただし「ジャ」でも「ヤ」でも識別しないし意味も変わらない(ここが例えば「砂利」と「槍」が明確に識別され意味も変わってしまう日本語との違いである)。


本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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