ファネスカ
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国
:エクアドル料理
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現地表記
:Fanesca(スペイン語)
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概要
:12種類の穀物とタラとカボチャのミルクポタージュ
ファネスカはエクアドルの四旬節の料理です。四旬節とは、カトリックキリスト教において、復活祭の46日前の水曜日から復活祭の前日までの期間を指します。ファネスカは、先住民の伝統(おそらくはウチュマンカという料理)とスペイン文化を融合させています。四旬節は小斎として鳥獣の肉を絶つため、肉類は決して入れず、魚(干しタラ)を使います。カボチャとミルクとチーズとクリームのリッチで濃厚なポタージュは素晴らしく美味しく、12使徒(イエスの福音を伝える12人の高位の弟子たち)に見立てた12種類の穀物・豆類が入っています。表面のすぐ下まで豆類がぎっしり入った豆類によりお腹にしっかりとたまり、クミンパウダーが結構入るので、その味わいはまるで美味しい美味しいミルクカレーです。トッピングもさまざまで楽しい。
材料
(10~15人分):
- 穀物・豆類12種類(※1)
- 各100 mL(※1)
- 塩漬けのタラ(※2)
- 150~200 g
- カボチャ
- 500 g(※3)
- 牛乳
- 800 mL
- キャベツ
- 100 g
- 玉ねぎ
- 大1個
- にんにく
- 3かけ
- ピーマン
- 3個
- バター
- 50 g
- アチョーテ(※4)
- 小1
- クミンパウダー
- 大1
- 乾燥オレガノ
- 大1/2
- こしょう
- 小2
- 塩
- 大1
- 無糖ピーナッツバター
- 大1
- ピザ用チーズ(※5)
- 50 g
- 生クリーム
- 50 mL
- パクチー
- 刻んで大3
- トッピングの具材
- 下欄参照(※6)
- ※1:今回私が使った穀物・豆類12種は、1)とうもろこし(固形分110 gの缶詰使用)、2)緑豆、3)フリホレスネグロス(キューバ料理で有名な黒豆)、4)米、5)黄エンドウマメ、6)グリーンピース(生の冷凍)、7)三尺豆、8)ファスーリャ(白豆)、9)ヒヨコマメ、10)レンズマメ、11)ソラマメ、12)小豆、です。計量はとうもろこし缶以外は乾燥状態で体積を量っています。
- ※2:塩漬けのタラは、現地の干しタラとの代用で、数日前にタラの切り身を購入して塩をきつくふって冷蔵庫に数日置いたもの(あるいはその冷凍)を使っています。
- ※3:カボチャ500 gは小1個分です。大きなカボチャを使う場合は部分的に使います。
- ※4:アチョーテはベニノキの実で、フィリピン料理食材店ではアツエテとして売られているもので、油に赤い色をつけるために加えます。ない場合は食紅やパプリカパウダーなどで気持ち赤い色を足すとよいです。
- ※5:ピザ用チーズはクリームチーズでもよいです。
- ※6:トッピングには、トッピングには、エンパナーダ(揚げ餃子風)、ミニミニドーナツ(揚げパン風)、揚げバナナ、赤パプリカ、パセリやパクチーの葉、フレッシュチーズ、玉ねぎピクルス、ゆで卵のスライス、アボカドスライスなどから幾つかを乗せます。トッピングを乗せずに食べることもあるので準備は任意です。写真では揚げバナナ、赤パプリカ、パクチーの葉、モッツァレラチーズ、アボカドを乗せています。
調理時間
:(豆や米や塩タラの浸水時間を除く)
作り方
:
- <前日(または前々日)>乾燥状態の豆と、米と、塩漬けのタラを、1種類ずつ異なる器に入れ、水を入れて1晩水に浸けておく。
- <当日(または前日)>乾燥状態の豆と米を1種類ずつフタができる鍋に入れ、フタをしてゆで(吹きこぼれしやすい鍋の場合はフタを少しずらす)、完全に火が通って完璧にほくほくになるまでゆでる。
- <当日>カボチャのワタと種を取って皮をむき、3 cm角くらいに切ってフタができる鍋に入れ、カボチャの半分の高さほどの水を入れて強火にかけ、沸騰したらフタをして弱火にして蒸し煮にし、完全にほくほくになるまでゆでる。
- タラを水から取り出し(のちに煮汁が足りないときに漬け汁が使えるので、念のため漬け汁は捨てない)、小鍋に入れ、牛乳少々(100~200 mLくらい、あるいはタラが浸る量)入れてフタをして中火にかけ、沸騰したら弱火にして10分ほど煮て、火からおろしておく。
- 鍋に少々(1 Cくらい)の湯を沸かし、キャベツをみじん切りにし、沸騰したらキャベツを入れ、火が通ってやわらかくなったらザルにあげておく。
- 玉ねぎ、にんにく、ピーマンをみじん切りにする。
- 大鍋にバターとアチョーテを入れて中火にかけ、混ぜながらアチョーテから赤い色を引き出す。
- バターが赤くなったら玉ねぎ、にんにく、ピーマンを入れ、クミン、オレガノ、こしょう、塩を加え、混ぜながら、柔らかくなるまで炒める。
- 残りの牛乳とゆでた豆類(ゆで汁は除く)を入れ、ヘラで鍋底をひっかくようにこまめに混ぜる。
- 牛乳が温まったらとうもろこし缶の中身とゆでた米(ゆで汁は除く)を入れ、同様に混ぜる。
- 無糖ピーナッツバターを入れて均一に混ぜる。
- タラを牛乳ごと加え、ピザ用チーズ、生クリームを入れ、均一に混ぜる。
- パクチーをみじん切りにして加え、均一に混ぜる。
- 味見をして、塩加減やスパイス加減や牛乳の濃さなどを好みに調えて出来上がり。
- 好みでトッピングを自由に乗せて、サーヴする。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- このレシピで出来上がりは約3800 mLです。すべての豆をちょこっとずつ計量しても、種類が多いので総量が多くなりました。豆の量を減らしてもよいのだけど、ごくわずかの量の豆のためにゆでる光熱費を使うのももったいなく、最低限の量感覚で作ったら、このくらいになってしまいました。しかし量に決まりはないのでもちろん調整していただけます。
- 日本では豆類の値段が高いので、12種類にこだわりがなければ、種類を減らしてよいです。その場合は日本の煮豆用の豆よりも、レンズマメやヒヨコマメなど、外国料理で定番の豆で、火の通りが速いものを使うとよいと思います。
- 現地で使う豆は日本では通常手に入らないものが多く、今回私が使った穀物・豆類12種は、1)とうもろこし(固形分110 gの缶詰使用)、2)緑豆、3)フリホレスネグロス(キューバ料理やブラジル料理で使われる黒豆)、4)米、5)黄エンドウマメ、6)グリーンピース(生の冷凍)、7)三尺豆、8)ファスーリャ(白豆)、9)ヒヨコマメ、10)レンズマメ、11)ソラマメ、12)小豆、です。
- 豆類を吸水させるときは3倍量以上の水を加えます。
- 豆10種類と米と塩タラとカボチャとキャベツは全種類を別々にゆでます。理由は、素材によってゆで時間が異なり、かつ下ゆでの段階で煮崩れてはいけないためです。
- 上の14種類を全部別々にゆでるのに、私の調理では、2口コンロで鍋4つを使い、半煮えになったら予熱で置いておくようにして、順次豆をゆで、合計3時間半かかりました。その後の調理はおよそ1時間だったので、調理時間合計を4時間半としています。
- 豆の下ゆでが重要で、この段階で完璧にほくほくになっていないと台無しなので、時間がかかってもほくほくに煮ます。
- 日本では現地の干しタラは通常流通していないし、日本で干鱈(ひだら)を買うととても値段が高くつくので、私は切り身のタラが安い時にいっぱい買って、塩をきつくまぶして冷蔵庫に数日置き(出てくる水分はときどき拭う)、しぼんできたら冷凍保存しています。
- 韓国料理食材のプゴクなど、他の干しタラを使う場合、塩加減が変わってくるので、味見の段階で調整します。
- 現地ではメヨコ(Melloco)というツル性植物の塊茎や、サンボ(Sambo)という身が白いカボチャ(クロダネカボチャ)といった材料も使います。
- 無糖ピーナッツバターがなければ、ピーナッツを牛乳とミキサーがけにしてなめらかピューレにして加えるレシピもあります。練りごまで代用可能ですが、味わいが変わるので、ない場合は省くほうが無難だと思います。
- ピザ用チーズはクリームチーズでもよいです。
- アチョーテは、赤い色素をもつベニノキの実です。ない場合は省くか、赤い色をつけるためにパプリカパウダーを加えるとよいです。写真のファネスカはアチョーテを使用しています。
- 牛乳と豆類を入れたあとは、鍋底にデンプンがついてそこから焦げやすくなるため、こまめに鍋底をヘラでひっかきながら混ぜます。これにより豆類が水分を吸ってよりほくほくになる効果もあります。
- トッピングには、エンパナーダ(揚げ餃子風)、ミニミニドーナツ、熟したバナナの揚げ物、赤パプリカ、パセリやパクチーの葉、フレッシュチーズ、玉ねぎピクルス、ゆで卵のスライス、アボカドスライスなどから幾つかを乗せます。トッピングを乗せずに食べることもあります。写真では揚げバナナ、赤パプリカ、パクチーの葉、モッツァレラチーズ、アボカドを乗せています。
- タラの漬け汁や豆のゆで汁を部分的に加えるレシピもあります。
- 肉類を使わない前提の料理なので、肉や肉系のダシは加えずに作ります。
- 翌日温め直すときは、豆や米が水分を吸って煮汁が減っているかもしれないので、牛乳を足してゆるめるとよいです。
Tips about cuisine
- 「ファネスカ」のスペイン語(エクアドルの公用語)の綴りは「Fanesca」。
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