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【基礎情報】
国名:ソロモン諸島、Solomon Islands、首都:ホニアラ、ISO3166-1国コード:SB/SLB、独立国(1978年英国より)、公用語:英語、通貨:ソロモンドル。
【地図】
ソロモンは南太平洋西部の島国で、オーストラリア大陸の北東に位置し、すぐ西にパプアニューギニアがあります。海域は西から北にかけてパプアニューギニア、北にナウル、東にツバル、南東にフィジー、南にバヌアツ(、ごくわずかに南西をオーストラリア)と接しています。
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◆イモ食の国。国民食はフィッシュ&プディング
ソロモンの食卓といえばイモ。ソロモンで驚くのは、イモの量の多さもさることながら、種類がとても多いことです。そしてココナッツや魚介類を毎日のように食べます。「イモ、ココナッツ、魚」と並べれば他のオセアニアの国にも当てはまりますが、森や土壌が豊かなソロモンは野菜が豊富で、太平洋の南の島国の中では随分と豊かな食文化を持っています。しかしながら経済が崩壊し、紛争もあり、国の発展が遅れています。輸入で得られる物資は豊富ではなく、自国(ないし自分の集落)で採れるもの以外のものを食べる機会が少ないことや、電気や水道が得られない(あるいは至極限られる)人が多いことや、黒人の国であること、際立った後進国であることなど、日本とは異なる一面も念頭に置きソロモン料理を学んでいく必要があるでしょう。
村人が作ってくれる料理はイモも魚も野菜も村で採れる材料ばかり。(撮影地チュチュル)
「ネシア」は島々という意味であり、太平洋の島国(アジアを除く。以下同様。)はメラネシア、ポリネシア、ミクロネシアに大別され、メラネシアにはソロモン、パプアニューギニア、バヌアツ、ニューカレドニア、フィジーの5か国が含まれます。
アフリカで誕生した人類がユーラシア大陸を東へ移動し、現在のパプアニューギニアやソロモンに到着したのが数万年前です。ここにはのちに中国南部あたりから南下した人々もやってきます。人類がそこから北や東へ拡散し、ポリネシアやミクロネシアにたどり着いたのはわずか3000~800年ほど前です。つまり、ソロモンなどのメラネシアの歴史は、ポリネシアやミクロネシアの数倍から数十倍と長いことが特徴です。ソロモン料理には伝統があるのです。
また、メラネシアはどれも島のサイズが大きいことが特徴です。世界地図で太平洋諸国を俯瞰したとき、目につく島国は(ポリネシアに属するニュージーランドのほかは)やはりメラネシアです。
ソロモン料理といえば、ほとんどの集落は沿岸部にあることからも、毎日の食事となるのは魚とココナッツ、主食はイモやフルーツです。それだけならポリネシアなども同じですが、ソロモンはさらに野菜が豊富。それは、太平洋の島国でありながら島のサイズが大きいから、島には山があり、山があるから川があり土がある。なおかつソロモンは人口密度が低く、国土はほとんど開拓されていないから、国土は森ばかり。つまり人々は自分の村の周辺の森と海をまるで食糧庫として使えます。「森と海が食糧庫」、これがソロモンが数万年変わらず続けている食文化なのです。伝統的な石焼き調理である「モトゥ」は今もソロモン人の胃袋を支える毎日の調理法です。そしてイモを手間暇かけて加工する「プディング」が国民食。電気もあまり得られず、水道はほとんどの人が得られず、不便な国ですが、お金を出さないで食べられるものの多さは格別で、魅力を感じます。
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ワントック The wantok
ソロモン料理を書くにあたり、最初に「ワントック」に触れます。メラネシアの文化は「ワントック」が生活のほぼすべての面に深く根ざしています。ワントックは「ワントーク One talk」すなわち「1つの言語」であり、あなたのワントックは「あなたの言葉を話す人」、つまりあなたの一族です。100とも120とも言われる言語数はワントックの多さであり、すなわちクラン(氏族)の多さであり、これが文化的な違いの多さを生んできました。国が均質でない最大の要因がワントックにあります。料理や料理名もワントックごとの差異があり、そういう意味で、「これがソロモン料理です」と全土普遍的に言えるものがあるかないかも分からない。そしてそれ(あるいはそれに近いもの)があったとしても、地元のローカル言語では全土をカバーする料理名がつけられないのです。よってこのページでは、1つのワントックでしか通じないような料理名ではなく、なるべく全土で通じる言葉で記載するためピジン(現地なまりの英語)での名称を第一優先とし、第二優先としてはブリティッシュイングリッシュ(英国の英語)で表記していくことにします。
ワントックゆえにソロモン料理がない。でもワントックがソロモン料理を形成する。ワントックとソロモン料理について。
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