フィッシュティー

フィッシュティー

ジャマイカや、ジャマイカ人が出稼ぎに出る先のカリブ海の元/現英領諸国には、「魚のお茶」とも読み取れる料理があります。この「フィッシュティー」はしかしながらお茶ではなく、お魚の旨味がよく出たスープの意味です。魚をドンと、そして「プロビション」をたくさん入れて素晴らしい美食スープを作るのです。「プロビション」とはイモ類などの腹にたまる野菜類を指し、カリブ海の重要な食文化を表しています。日本でも手に入りやすい食材でフィッシュティーを絶品に作るレシピができましたので、ぜひ作ってみてください。塩味が薄くてもとにかく具の旨味が素晴らしくて、飲むほどにうっとりとため息が出る味です。

材料

8~10人分):

小ねぎ
刻んで1/2 C
玉ねぎ
1/2個
にんにく
2かけ
一匹魚(※1)
大1尾(※1)
2 L
小2
かぼちゃ
1/4個
ハヤトウリ(※2)
かぼちゃと同量
さといも
かぼちゃと同量
にんじん
1本
ハバネロ唐辛子(※3)
1個
オールスパイス
8粒
ドライタイム
小1/5
オクラ
10本
  • ※1:魚の種類は問いませんが、白身が美味しくて大きめの魚を一匹買い求めるとよいです。ここでは体長30 cmくらいの真鯛を使いました。
  • ※2:ハヤトウリは夏の実野菜ですが、お店で売られる時期が短く手に入れにくいので、大根で代用してよいです(写真も大根を使用しています)。
  • ※3:ハバネロ唐辛子は、非常に強い辛味と極めて良い香りをもつシネンセ種の唐辛子です。ない場合は下のコツ欄参照。

調理時間

作り方

  1. 小ねぎは小口切りにし、玉ねぎは幅1.5 cm以内のくし切りにし、にんにくはみじん切りにし、鍋に入れる。
  2. 魚はウロコ、エラ、内臓を取り、2枚おろしにし、長さ半分に切って鍋に入れ、水と塩を入れて火にかけ、沸騰したらフタをしてごく弱火にし、30分ほど煮る。
  3. その間にかぼちゃ、ハヤトウリ(なければ大根)、さといもは皮をむいて細めの乱切りにし、にんじんは2 cm角切りにする。
  4. 魚がよく煮えたら崩さないように取り出す。
  5. 鍋にかぼちゃ、ハヤトウリ、さといも、にんじん、ハバネロ唐辛子、オールスパイス(ホール)、ドライタイムを入れて再び火にかけ、沸騰したらフタをしてごく弱火にし、30分ほど煮る。
  6. その間に魚の身を骨からはがす。このときなるべく身が崩れないよう、身が大きく残るようにする。
  7. オクラのヘタを切らずに、長さが半分になるように切る。
  8. 鍋の具がほくほくに煮えたら魚肉とオクラを入れ、フタをしてごく弱火にし10分ほど煮る。
  9. 味見をし、塩加減や旨味加減などを好みに調える。
  10. (クリアで澄明なスープを楽しみたい場合は火を止めてしばらく静置しておく。)
  11. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • イベント、結婚式、葬式、パーティーなど人が集まるときに大量を作るような料理です。野菜の種類や量に決まりはないので、好みの種類を好みの量加えてよいです。
  • 魚は骨からも美味しい味が出るので、切り身ではなく一匹魚を購入することを勧めます。
  • オクラはヘタも食べられるので、切り落とさずに残します。
  • ハバネロ唐辛子は、非常に強い辛味と極めて良い香りをもつシネンセ種の唐辛子です。辛味が強いため切らずに丸ごと加えます。ない場合は青唐辛子で代用するか、省くか、市販のハバネロパウダー(日本のスパイス会社が市販しています)をごくわずか加えます(小さじ1/64など)。
  • 日本では入手しにくい食材ですが、現地ではパンノキの実や青バナナをイモ類感覚で加えることもあります。
  • 現地では「Fish tea soup mix」という粉末調味料が販売されています。海鮮ダシの素や味の素などが入っています。よって魚の旨味が足りないと思ったときには、海鮮ダシの素や味の素で補うことができます。
  • 作りたては汁が濁っていますが、しばらく静置しておくと汁が透き通り、「ティー」の料理名にふさわしくなります。
  • ココナッツミルクを加えるレシピや、さつまいも、セロリ、とうもろこしを使うレシピもあります。

Tips about cuisine

  • 「フィッシュティー」の英語(ジャマイカやケイマンの公用語)の綴りは「Fish tea」。
  • 「Fish」(フィッシュ)は魚、「Tea」(ティー)はこの料理の場合はお茶ではなく具材から味が出た澄んだ汁を指す。よって「Fish tea」(フィッシュティー)は「魚の澄んだスープ」のような意味になる。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
出典URL付記リンクを貼れば小規模な範囲でOKなこと】
・ご自身のサイト、ブログ、FacebookやXなどのSNSにおける情報の小規模な引用や紹介。
事前連絡出典明記をお願いします】
・個人、団体、企業等の活動・サイト記事作成・出版等で料理レシピや写真を使用する場合は有料です(料金は≫こちら)。※無断使用が発覚した場合は料金3倍にて請求書を発行しますのでお支払い頂きます。
事後連絡下さい(楽しみにしています)】
・学校や大学の宿題や課題で当サイトを活用してくれた児童・生徒・学生さん。※教職員の使用は上に該当するため有料です。
禁止事項
・大々的なコピペや読み込み、出版物への無断転載。
・商用非商用または営利非営利を問わず、個人、団体、企業等の活動や出版等での無断使用。
※免責事項:上記の引用に基づいて万が一損失・損害がありましても、対応はユーザーご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。