ハライミ

  • リビア料理

  • 現地表記

    :حرايمي(アラビア語)

  • 概要

    :魚が入った濃厚トマトスープ

ハライミ

リビア料理って赤いですよね。チュニジアに負けず劣らず(?)唐辛子調味料「ハリーサ」(日本ではハリッサが定着しつつありますが現地の発音はハリーサに近いです)とトマトを多用するので、何かと料理が赤くて辛いのがリビア料理です。またリビアでは人口の多くが沿岸部に集中しており、つまり大部分のリビア人は魚をよく食べ、現地の魚料理を代表する一品がこのハライミなのです。魚の旨味が引き出されたスープが大の絶品です!! 活きのいい一匹魚が手に入ったら、ときにはお刺身ではなくこういう料理も作ってみていただけたらと思います。リビアでは主たる主食がパンなのですが、日本だと「パンと魚料理」ってあまり組み合わせないけれど、これはスパイスの香り良さもあり、パンによく合う素晴らしい魚スープです。リビアの首都トリポリの大衆食堂の味つけを忠実に目指したお気に入りのレシピです。ごはんやクスクスと一緒に食べても美味しいです。

材料

3~4人分):
<魚のタジン(オーブン焼き)>

大きめの一匹魚(※1)
1尾(※1)
玉ねぎ
1/4個
チューブにんにく
小1
塩A
小1/3
クミンパウダーA
小1/4
カイエンペパーA
小1/5
レモン果汁
大1/2
サラダ油A
大3
  • ※1:魚は白身の一匹魚で体長30 cmくらいのものを買い求め、エラ・内臓・頭を除いて400 g以上あるとよいです。

<ソース>

トマト缶
400 g入りを1つ
サラダ油B
大3
にんにく
5かけ
ハリッサ(※2)
大1
塩B
小1/8
砂糖
小1/8
こしょう
小1/8
クミンパウダーB
小1/8
カイエンペパーB
小1/8
500~600 mL
パプリカパウダー
小1/8
  • ※2:ハリッサは現地の唐辛子調味料です。日本でも市販されていますしなければ手作りできますので辛さに注意しながら使うことができます(≫こちら)。

調理時間

作り方

  1. <魚のタジン(オーブン焼き)を作る>魚はうろこ、エラ、内臓、頭、ヒレを落とし、中骨ごと4 cm幅のぶつ切りにする。
  2. 玉ねぎは2 cm長さに切ってから薄切りにし、魚の身が入るサイズのオーブン耐熱容器の底に重ならないように広げ入れる。
  3. 小さな容器にチューブにんにく、塩A(小さじ1/3)、クミンパウダーA(小さじ1/4)、カイエンペパーパウダーA(小さじ1/5)、レモン果汁を入れて混ぜ、魚の表面と内面(内臓が入っていた場所)に塗りつけ、玉ねぎの上に離して置く。
  4. オーブンを250℃に余熱開始。
  5. 魚の上にサラダ油A(大さじ3)をまわしかけ、アルミホイルで二重に包んでオーブンで20分焼く。
  6. 20分後に中を確認し、魚の肉に火が通っていたら取り出す。もう少し加熱したほうが良さそうならひっくり返して10分追加で焼く。
  7. <ソースを作る>トマト缶をハンドブレンダーにかけてなめらかに均一にする。
  8. 魚を煮込む鍋にトマト缶ピューレとサラダ油B(大さじ3)を入れ、ときどき混ぜながら中火で熱し、鍋底をヘラで掻(か)いたときに数秒間鍋底が見えたままになるくらいにもったりとしたトマトペーストを作り、火を止める。
  9. にんにくを粗みじん切りにして鍋に入れ、ハリッサ、塩B(小さじ1/8)、砂糖、こしょう、クミンパウダーB(小さじ1/8)、カイエンペパーパウダーB(小さじ1/8)、水の一部(ハンドブレンダーが回る最低限の量)を入れ、ハンドブレンダーにかけて均一にする。
  10. 残りの水を入れて混ぜてから中火にかけ、味見をして水加減を好みに調え、熱くなったら弱火にし、表面に油が浮くよう静かに煮る。
  11. 油の上にパプリカパウダーをかけ、ソースをより赤く色づける。
  12. <仕上げ>オーブン耐熱容器の中身をすべてソースに入れ、表面に油が浮いたままになるよう優しく混ぜ、味見をして塩加減などを好みに調える。
  13. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 調理時間1時間の内訳は、魚をさばいて下味をつけるのに20分、オーブン加熱30分、その間にソースを作り、仕上げに10分としています。
  • このレシピでは魚の頭を使っていませんが、頭を使ってもよいです。
  • このレシピでは骨つきの魚を使いましたが、切り身で売られている魚を使うこともできます。しかし骨つきの魚を骨ごとぶつ切りにするほうが旨味が出るので推奨します。
  • 日本で市販されているトマト缶の中身をそのまま使うと酸味が強いので、いったん油とともに煮詰めてトマトペーストを作ることで酸味を和らげ、油に旨味を引き出しています。
  • 砂糖はトマトの酸味を和らげるために加えているので、トマトに酸味が感じられない場合は砂糖を省いてよいです。
  • ハンドブレンダーがない場合はミキサーやすり鉢を使うか、市販のトマトピューレとチューブにんにく(つまり固形の塊がないもの)で調理するとよいです。
  • トマト缶のピューレを煮詰めるときは中身がはねやすいので、油はねガードがあればかぶせます。
  • お気に入りの油はねガード

  • 油にパプリカパウダーをふると赤い色がよく引き出され、美味しそうな赤い色を増すことができます。よってパプリカパウダーの使用量は任意であり、省いてもよいです。
  • ソースを先に作り、さばいた魚を直接ソースに入れて煮る方法もありますが、私がリビアの飲食店で学んだのは最初に魚だけをじっくりオーブン蒸し(これをタジンと言う)にする方法で、素晴らしく美味しいものでした。その場合、魚やソースを大量に仕込むことができ、翌日は魚は魚で、ソースはソースで様々な料理に使いまわせる良い作り置きになります。
  • リビアの首都トリポリの大衆食堂の味つけに忠実な辛さを目指しました。辛いのが苦手でない方には大して辛くありませんので安心してください。辛いのが苦手な方はカイエンペパーパウダーを減らすとよいです。
  • リビアの内陸の地域ではオイルサーディン缶でもハライミが作られます。その場合は缶の中の油を使い、レシピの油を減らすとよいです。

Tips about cuisine

  • 「ハライミ」のアラビア語(リビアの公用語)の綴りは「حرايمي」。
  • 「حرايمي」は「ح ر ا ي م ي」が「i m i a r h」でこれを右から読む。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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