东北酱大骨(トンページャンターグー)
-
国
:中国料理
-
現地表記
:东北酱大骨(中国簡体字)
-
概要
:骨付き肉の醤油と香辛料煮
「骨付きの肉にかぶりつく」のは美味しいですよね。何と言うか、人類の内なる野生が目覚める味で、ヒトの本能がこれを「旨い」を認めざるを得ない。この料理名についている「东北」(トンペー)は中国東北地方のことで、日本史や世界史に出てくる「満州」のあたりの地域を指します。満洲族の料理は漢民族から受けた調理法や調味法とともに美味しく発達し、この骨付き肉は「肉もすごいが味付けがすごくいい」という美食になっています。形態が、箸で食べる漢民族料理とは違いますから、指でつかんで、骨にへばりつく膜まではがすようにお召し上がりくださいね。お肉も美味しいのだけど、「タレが旨い、タレが旨い」と言って白いごはんも進んでしまうすごい料理です。
材料
(4人分):
- 骨付き肉(※1)
- 800 g
- 生姜
- 30 g
- 長ねぎ
- 1本
- サラダ油
- 大2
- 八角
- 2つ(16角分)
- シナモンスティック
- 1本(約8 cm)
- フェンネルシード(※2)
- 大1/2
- 鷹の爪(※3)
- 2本
- ベイリーフ
- 3枚
- 豆板醤
- 小2
- 老抽(※4)
- 大1
- 醤油
- 大1
- 日本酒(※5)
- 50 mL
- 塩
- 小1/4
- 砂糖
- 小2
- 食紅(※6)
- 耳かき2杯程度
- ※1:骨付き肉は豚などの動物の背骨や脚を使います。普通に売られているもので代用するならスペアリブを使うとよいです。
- ※2:フェンネルシードがない場合、クミンシードやディルシードで代用するか、省きます。
- ※3:鷹の爪は丸ごとのものを使います。ない場合は小口切りや一味唐辛子少々で代用します。
- ※4:老抽(ラオチョウ)は黒色が濃くて塩分が低い中国の醤油ですが、ない場合はオイスターソース少々で代用するか、塩分に気をつけながら日本の醤油を増やします。
- ※5:日本酒は現地の黄酒(ホワンジョー、米の酒)の代用です。紹興酒を使ってもよいです。
- ※6:この料理は赤味を出して作られることが多いので食紅を加えています。現地では赤い色のタレ(排骨酱など)を加えたりします。なければ省いてもよいです。
調理時間
:
作り方
:
- <骨を切る>骨付き肉を骨ごと切り(電動のこぎりや斧など)、水中で断面を洗ってできるだけ骨のかけらを落とし、仕上げの水できれいに全体を洗っておく。骨を切れない場合はスペアリブなどをそのままのサイズで使う。
- <下ゆで>鍋に骨付き肉が浸る量の水(分量外)を入れて強火にかける。
- 湯が沸くまでの間に、生姜を2 mm厚さの薄切りにし、長ねぎの葉(緑の部分)を切り落として葉の内側を洗い、長ねぎの白い部分を3~4 cm長さに切る。
- 湯が沸いたら骨付き肉、生姜の薄切りの1/3量、長ねぎの葉を入れ、再沸騰させ、1分ほど煮てアクをすくい取り、肉を引き上げる。
- 肉をゆでた鍋を観察する。ゆで汁にくさみがなく「だし汁」として使えるなら残す。生姜と長ねぎの葉は最終的に食べるなら残してもよいし、食べないなら取り出してよい。
- <本調理>小皿に八角、シナモンスティック、フェンネルシード、鷹の爪、ベイリーフを入れておく。
- フライパンにサラダ油を入れて強火で熱し、豆板醤を入れて素早く炒める。
- 生姜の残り、長ねぎの白い部分、スパイス類(八角その他の皿の中身)を入れて素早く炒める。
- 骨付き肉を入れて炒める。
- 下ゆでのゆで汁(または水)をひたひたになるまで加え、火加減を強火にし、老抽、醤油、日本酒、塩、砂糖の1/3量(小さじ1弱くらい)、食紅を入れ、ときどきアクを取りながら、肉の上下を返しながら煮詰めていく。
- 途中で砂糖の1/3量を追加し、引き続き煮詰める。
- 途中で砂糖の残りを追加し、引き続き煮詰める。
- 煮汁が減ってきたら食べられないスパイス類が邪魔なら取り出し(ベイリーフやシナモンスティックなど)、味見をして味の濃さなどを確認し、煮詰め具合を考えておく。
- 目的の味の濃さになってきたら味見をし、塩加減や甘み加減などを好みに調える。※私はこの分量で煮汁がほぼなくなってとろっとするまで煮詰めています。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- 私は斧を使って肉を骨ごと切りました。骨を切れない場合はスペアリブなどで代用します。
- 骨のかけらはどんなに小さいものでも排水溝に絶対流さないように。途中でひっかかった場合、永久に溶けずに残ってしまうためです。
- 生姜の皮はむいてもむかなくてもよいです。
- 豆板醤を油炒めするときは素早く混ぜないと油が跳ねるので、入れた瞬間にヘラで跳ねをガードしながら迅速に混ぜます。心配なら油跳ねガードを用意しておくとよいです。あるいは油のない場所に豆板醤を落として水分を飛ばしてから油と接触させるのもよいです。
- 煮詰め具合は任意ですが、ここでは煮汁がとろっとして煮詰めにくくなるまで煮詰めています。
- お肉をより柔らかく煮る場合は煮詰める際の火加減を弱めて時間を長くします。ただし相対的に肉の旨味が抜けます。
- 骨のかけらがあるかもしれないので、食べる人には気をつけるよう伝えましょう。
Tips about cuisine
- 「东北酱大骨」(トンページャンターグー)のピンインは「Dōng běi jiàng dà gǔ」。
- 「东北」(トンペー)は中国東北地方の意味、「酱」(ジャン)はタレの意味、「大骨」(ターグー)は太い骨の意味。よって「东北酱大骨」(トンページャンターグー)は「太い骨の部位を使って作る中国東北地方風の骨つき肉タレ絡め料理」のような意味になる。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
【出典URL付記やリンクを貼れば小規模な範囲でOKなこと】
・ご自身のサイト、ブログ、FacebookやXなどのSNSにおける情報の小規模な引用や紹介。
【事前連絡と出典明記をお願いします】
・個人、団体、企業等の活動・サイト記事作成・出版等で料理レシピや写真を使用する場合は有料です(料金は≫こちら)。※無断使用が発覚した場合は料金3倍にて請求書を発行しますのでお支払い頂きます。
【事後連絡下さい(楽しみにしています)】
・学校や大学の宿題や課題で当サイトを活用してくれた児童・生徒・学生さん。※教職員の使用は上に該当するため有料です。
【禁止事項】
・大々的なコピペや読み込み、出版物への無断転載。
・商用非商用または営利非営利を問わず、個人、団体、企業等の活動や出版等での無断使用。
※免責事項:上記の引用に基づいて万が一損失・損害がありましても、対応はユーザーご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
【出典URL付記やリンクを貼れば小規模な範囲でOKなこと】
・ご自身のサイト、ブログ、FacebookやXなどのSNSにおける情報の小規模な引用や紹介。
【事前連絡と出典明記をお願いします】
・個人、団体、企業等の活動・サイト記事作成・出版等で料理レシピや写真を使用する場合は有料です(料金は≫こちら)。※無断使用が発覚した場合は料金3倍にて請求書を発行しますのでお支払い頂きます。
【事後連絡下さい(楽しみにしています)】
・学校や大学の宿題や課題で当サイトを活用してくれた児童・生徒・学生さん。※教職員の使用は上に該当するため有料です。
【禁止事項】
・大々的なコピペや読み込み、出版物への無断転載。
・商用非商用または営利非営利を問わず、個人、団体、企業等の活動や出版等での無断使用。
※免責事項:上記の引用に基づいて万が一損失・損害がありましても、対応はユーザーご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。