アロースコングリ
-
国
:キューバ料理
-
現地表記
:Arroz congrí(スペイン語+ハイチ語由来)
-
概要
:赤または茶色の豆の炊き込みご飯
じゃじゃん!!キューバの国民食登場!! キューバは豆ごはんをよく食べる国です。アロースコングリはスペイン語の「米」(アロース)とハイチ語に由来する「豆」(コングリ)の意味をもつ、本来は赤または茶色の豆の炊き込みご飯です。地図を見れば分かるのですけれど、キューバとハイチはわずかな海域を挟んで隣接していて、ハイチ革命のときにハイチからキューバへ避難する人がキューバにハイチの豆ごはんをもちこみました。日本で豆ごはんというと、和食なりの定番の味がしますが、この豆ごはんはその日本での常識を打ち破る美味しさを持っています。「ソフリート」というスペイン伝来の技術、すなわち、玉ねぎやピーマンやにんにくなど旨味と香りを出す野菜類を細かくしたものを加えて炊飯します。食べるときにはもはや野菜類は見えないのに、とにかく美味しくなっていて、これは是非レパートリーに加える価値ありの料理です。ちなみに、普段炊飯器を使っている人が、突然お鍋で炊飯するとなると失敗する要素が多いので、このレシピでは炊飯器を使うものとしました。
材料
(4~6人分):
- 小豆(あずき)(※1)
- 100 mL
- 米
- 2合
- ベイリーフ
- 1枚
- 玉ねぎ
- 1/2個
- にんにく
- 1かけ
- ピーマン
- 1個
- 豚の脂身(※2)
- 10 gくらい
- オリーブオイル
- 大1
- こしょう
- 小1/8
- オレガノ
- 小1/4
- クミンパウダー
- 小1/8
- 塩
- 小1
- ※1:このレシピでは小豆を使っています。ぜんざい用の最も粒の小さいものを選ぶと中までほくほくに炊きやすいです。
- ※2:豚の脂身がなければ省いてもよいし、ベーコンの脂身や鶏皮などで代用してもよいです。
調理時間
:(豆を水に浸ける時間を除く)
作り方
:
- <豆と米の準備>調理をする前日に、小豆を水(分量外)で洗い、水(分量外)に一晩(あるいは8時間)浸ける。
- 調理をする数時間前に、米を研ぎ、水(分量外)に浸ける。
- フタのできる鍋に豆、漬け汁500 mL、ベイリーフを入れ、強火にかけて沸騰させ、弱火にしてフタをして30分(あるいは豆が柔らかくなるまで)煮る。
- <ソフリート用意>豆を煮ている間に、玉ねぎ、にんにく、ピーマンをなるべく細かいみじん切りにし、豚の脂身を薄切りにする。
- 豆が柔らかく煮えたら取り出して、ザルを使って豆と煮汁に分ける(煮汁は捨てない)。
- 豆の煮汁が米2合の炊飯分より多いようならもう一度豆を入れて煮詰める。
- 豆を煮ていた鍋にオリーブオイルを入れ、豚の脂身を炒めて油を出し、玉ねぎ等のみじん切りを入れてよく炒め、こしょう、オレガノ、クミンパウダーを入れて炒める。
- <炊飯>米をザルにあげて水気を切って炊飯器に入れ、ソフリート(香り野菜)を豆の煮汁で洗い込みながら炊飯器に入れ、水面の高さを2合のラインより少し低い(1.95合くらい)にする。
- 塩を加えて全体を混ぜ、味見をして塩加減を調え、豆を乗せ、通常炊飯モードで炊く。
- 炊けたらすぐに上下を返し、熱いうちにフタを閉じ、20分蒸らす。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- 豆を水に浸けて戻すとき、重曹をごく少々入れたり、さびた鉄くぎを入れると色が綺麗に出ます。さびた鉄くぎを使う場合は、豆を水で煮るときも入れておくとよいです(炊飯前に取り出す)。
- 豆を煮る時、圧力鍋を使うと速く煮ることができます。
- 豆を煮る時、時間がかかって水が減ってしまっているようなら、水を足してもよいです。
- 炊飯器が大きいと上手く炊けない可能性があります。その場合は炊飯器に合わせて全量を例えば2倍に増やすか、厚手の鍋で炊きます。
- ごはんが炊けたらすぐに上下を返し、20分蒸らします。その後、水分が多いときはバットに広げたり、米が生煮えのときは電子レンジ加熱するなどすると、良い炊きあがりに戻すことができます。
- キューバの豆ごはんのレシピは、私が確認した現地のレシピでは、豆と米を同量用いるものも、豆が米よりも少ないレシピもあります。別途紹介するアロースモロでは豆と米を同量使うレシピとしたので、このアロースコングリは豆が米より少ないレシピとしました。しかしどちらのレシピも豆と米のバランスは様々なので、どちらのレシピも一例にすぎず、多様な配合比で調理していただけます。
Tips about cuisine
- 「アロースコングリ」の現地での綴りは「Arroz congrí」。
- 「Arroz」(アロース)は米、「Congrí」(コングリ)は豆(赤~茶色い豆)の意味。よって「Arroz congrí」(アロースコングリ)は「赤または茶色い豆の炊き込みご飯」の意味になる。
- 「Congrí」(コングリ)は東の隣国ハイチにおいて豆を意味するコンゴ(Congo、アフリカの言語に由来)と米のフランス語であるリ(Riz)が縮約して派生した造語である。ハイチ革命(1791~1804年)の折にハイチから逃れてキューバ東部に渡った人々によりキューバに持ち込まれたとされる。
- コングリを使った炊き込みご飯とは別にキューバ西部の首都ハバナにはすでに黒い小粒の豆を炊き込んだごはんがあり、現在は黒豆を使ってもアロースコングリと呼ばれることもあり、定義は厳格ではなくなってしまった(とハバナ在住者が言っていた)。
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