ファール

  • 英国料理

  • 現地表記

    :Phall(英語)

  • 概要

    :激辛のトマトベースカレー

ファール

「Hell or Heaven?」…それは地獄か?天国か? これは「BIRカレー」の傑作です。「BIR」は「British Indian Restaurant」すなわち「英国のインド料理レストラン発祥」を意味する用語です。ファールはカレーが辛くないと客が不満を言ったがためにベンガル人(インドやバングラデシュの民族)のシェフが唐辛子満載で作ったという伝説をもつ激辛カレーです。さあまずは冷蔵庫に水を冷やしましょう。大人のカレーですから食べる人選をしましょう。そして食べる人には必ず事前に「覚悟して」と伝えましょう。水を加えずに作るのでトマトや玉ねぎの旨さが濃くて美味しいことは間違いないです。しかし美味しかったなー。「Hell or Heaven?」(地獄か?天国か?)---「Heaven!! Exactly!!」(この旨さはまさに天国でしょ!!)

材料

3~4人分):

玉ねぎ
1個
サラダ油
大4
フェンネルシード(※1)
小1
チューブにんにく
大1
チューブ生姜
大1
トマト缶
1/2缶(※2)
カイエンペパー
大1.5(※3)
パプリカパウダー(※4)
大1.5(※3)
唐辛子フレーク(※5)
大1.5(※3)
カスリメティ
大1
グレービー(※6)
大5
小1
砂糖
小1
クミンパウダー
小1.5
コリアンダーパウダー
小1.5
こしょう
小1/2
クローブパウダー
小1/3
ナツメグ
小1/3
カルダモンパウダー
小1/3
レモン果汁
大1
鶏もも肉
1枚
ガラムマサラ
小1
生の赤唐辛子(※7)
1~2本
パクチー
刻んで大3~4
レモンスライス
1人1枚
  • ※1:フェンネルシードがない場合はクミンシードやディルシードで代用するか、省きます。
  • ※2:トマト缶を400 gと想定し、200 gを使用します。カットタイプでもホールタイプでもよいです。
  • ※3:カイエンペパーパウダー、パプリカパウダー、唐辛子フレークは予め混ぜておいて、様子を見ながら加えます。
  • ※4:現地のレシピで使われているカシミリチリは辛さが強すぎず甘みが感じられるので、パプリカパウダーをブレンドすることで似せています。
  • ※5:唐辛子フレークはスパイス売り場のほか漬物材料売り場で売られていることが多いです。あらびき唐辛子のような名称で市販されています。
  • ※6:レストランでは作り置きのカレーグレービー、家庭では市販のグレービー(手作りレシピは≫こちら)などが使われます。レシピはリンク先参照。
  • ※7:生の赤唐辛子は鮮烈な辛さと香気をつけるために加えます。なければ省きます。

調理時間

作り方

  1. 玉ねぎをチョッパー(みじん切りが簡単に作れる道具)に入れて(チョッパーがなければ包丁を使って)みじん切りにする。
  2. カレーを作る鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、フェンネルシードを入れ、パチパチとはじけてきたら玉ねぎ、チューブにんにく、チューブ生姜を入れ、火が通るまで炒める。
  3. 玉ねぎを取り出したチョッパー(なければミキサー)にトマト缶の中身を入れてトマトピューレ状にし、1/2缶分を取り出して鍋に入れる。
  4. カイエンペパーパウダー、パプリカパウダー、唐辛子フレークを小さな容器に入れて均一に混ぜ、唐辛子ミックスを作っておく。
  5. 唐辛子ミックスの約半量を加えて混ぜ、カスリメティを指ですりつぶして加え、とろみがつくように混ぜながら煮る。
  6. グレービー、塩、砂糖、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、こしょう、クローブパウダー、ナツメグパウダー、カルダモンパウダー、レモン果汁を加えて混ぜる。
  7. 鶏もも肉を3~4 cm角に切って鍋に入れ、ときどき混ぜながら煮る。
  8. 鶏肉に火が通ったらガラムマサラと2つに切った赤唐辛子をを加えて混ぜる。
  9. 味見をし、残りの唐辛子ミックス(小さじ1杯くらいずつ段階的に)鍋に入れて混ぜ、耐えられる範囲の上限の辛さにする。十分に辛くなったら赤唐辛子を取り出す。
  10. 器に盛り、刻みパクチーとレモンスライスをトッピングして出来上がり。
  11. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • このレシピではしっかり辛さが出ていますが、正直なところ、唐辛子は辛さのみならず旨味も出すので、辛さも旨さも唐辛子のブランドにかかっています。
  • 生の赤唐辛子は鮮烈な辛さと香気をつけるために加えます。現地にはハバネロのような少量でも激辛の唐辛子を加えるレシピもあります。ハバネロでない唐辛子でも、生の唐辛子は煮ると大変辛くなるのでこまめに味見をし、辛さ上限になったら取り出します。
  • 唐辛子ミックスは一気に全量を加えると辛すぎるかもしれないので、段階的に加えています。私の作成ではレシピ分量を全部加えて大丈夫でした。
  • ソースのつぶつぶ感を出すために玉ねぎはピューレではなくみじん切りにしています。
  • 途中で煮詰まりすぎて焦げ付きが心配なら適宜水を足して混ぜます。
  • チューブにんにくとチューブ生姜は現地のジンジャーガーリックペーストに相当するものとして加えています。ない場合はにんにくと生姜を玉ねぎと同様にみじん切りにします。
  • ここではトマト缶を使用しましたが、パスタ用のトマトソースを使ってもよいです。
  • 赤いファールを作りたいときはトマトの量をこのレシピくらい加えます。茶色いファールを作りたいときはトマトの量を減らします。
  • ここでは少量のスパイスを何種類か加えましたが、スパイスの種類や量は好みで変えてよいです。
  • 赤い色がしっかり出るファールを作りたい場合は、ターメリックパウダーを加えません。
  • ファールは秘伝レシピが多く、また店か家庭かによってもレシピに幅があります。レストランタイプの作り置きのカレーグレービーを使ってもよいですし、現地の家庭レシピ風に市販のグレービー(手作りレシピは≫こちら)を使ってもよいです。今回は市販のグレービーソースを使用しています。
  • 現地では「ナガピックル」という唐辛子ピクルス保存食が市販されていて、これを使うレシピも多くあります。このレシピでは省いています。
  • トッピングの定番は、パクチー、千切り生姜、レモンなどです。

Tips about cuisine

  • 「ファール」の英語(英国の公用語)の綴りは「Phall」。


本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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