タシュリーブ
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国
:イラク料理
-
現地表記
:تشريب(アラビア語)
-
概要
:パンに肉と野菜のスパイス煮こみをかけて吸わせたもの
イラクに行ったとき、「これぞイラク飯」と言われて出てきた料理が幾つかありました。それがタシュリーブです。イラクはメソポタミアの中心で、世界の中心とも言える繁栄を極めていましたから、パンを焼く技術も早期に確立し、よって、このように、余ったパンを翌日美味しく食べる料理も大昔からあったのだと思うのです。「イエス(キリスト)も食べていた」という記述を見たことがありますがそれはあながちうそではないかもしれません。イラクに行くことは難しい状況でも、家庭でイラク料理を食べて、美しき世界を感じてみませんか。
材料
(4人分):
- 玉ねぎ
- 大1個
- にんにく
- 1かけ
- 鶏肉(※1)
- 700g
- サラダ油
- 1/2C(※2)
- トマト缶(※3)
- 1つ
- 水
- 700mL
- ベイリーフ
- 1枚
- カルダモン
- 5さや
- シナモン
- 500円玉面積
- ターメリックパウダー
- 大2
- 塩
- 小1
- バハラート(※4)
- 大1
- プチトマト
- 好みで10個
- ドライレモン(※5)
- 大1程度の量
- パン(※6)
- 好きな量
- ※1:鶏肉は鍋用の骨がぶつ切りになったものがよい。値段は高くなるが牛肉や羊肉の塊や牛テール肉でもよい。
- ※2:1/2Cくらいを適当に注ぎ入れる感じでよいです。
- ※3:トマト缶は400mLサイズを使用。トマトピューレを使用してもよい。
- ※4:バハラートは中東のスパイスミックスです。入手が難しいのですがガラムマサラで代用すると割と近いです。クローブパウダーやオールスパイスパウダーや黒こしょうパウダーなど香りの強い単独スパイスをミックスしてもよいです。
- ※5:イラクではヌーミバスラと呼ばれるドライレモン(ドライライム)です。入手が難しいのですが、流行った「塩レモン」のレモン部分やスライスレモンなどで代用できます。
- ※6:イラクでも前日焼いたパンの残りなどを美味しく食べるための料理です。ホブズやナンのような薄パンがあればそれがよいですが、食パンやフランスパンの残りを使っても美味しいです。
調理時間
:2 日
作り方
:
- 玉ねぎの半分をみじん切りにし、残り半分をカレーの具のように大きめに切る。
- にんにくをみじん切りにする。
- 鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、玉ねぎのみじん切りとにんにくのみじん切りを入れて、きつね色になるまで炒める。
- 鶏肉をぶつ切りにして鍋に入れて、大きく切った玉ねぎも入れて、焼きつける。
- トマト缶を汁ごと入れて、トマトと油をなじませるように数分間煮る。
- 水、ベイリーフ、はさみで切れ込みを入れたカルダモンさやごと、シナモン、ターメリックパウダーを入れ、フタをして沸騰させ、沸騰したら火を弱めて小さな沸騰状態を保つ程度にし、フタをして1時間ほど煮る。
- 火からおろしてフタをしたまま放冷する。
- 2日間の間に、1時間ほどじっくり煮てから放冷する過程を、3回くらい繰り返す。その過程のどこか途中で塩とバハラートとプチトマトを加えておき、味見もして塩加減などを調えておく。
- 最後の加熱のとき、乾燥レモン(あるいは塩レモン、スライスレモンなど)を加えてひと煮立ちさせる。
- シチュー皿にパンをちぎって乗せ、上から煮込みをかけ、1分ほど待って汁をパンに吸わせたら出来上がり。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- お肉がほろほろにほぐれるように作りたいので所要時間を2日としましたが、お肉に火が通れば良いのであれば1時間くらいで作ることもできます。
- 冬の時期ならストーブの上で煮炊きするように作るとよいですし、美味しく出来上がります。
- トマト缶や生のトマトを使う場合、トマトは潰さなくてもよいです(潰してもよいです)。
- ドライレモン(ヌーミバスラ)の代用に塩レモンのレモン部分を使うときは、塩分が強くなりすぎないようにします。
- ゆでたヒヨコマメやレンズマメなどを加えるレシピもあります。
- ゆでたじゃがいもを加えるレシピもあります。
- イラクには赤いタシュリープも黄色いタシュリープもあり、加えるトマトの量で赤みが違います。私がイラクで食べたタシュリープは赤かったので、このレシピも赤いタシュリープですが、トマトを減らすことで黄色いタシュリープも同様に作ることができます。
- 油を多く使いますが、多く使うほうがトマトの赤い色素が油層に移って色がきれいになるのと、パンにバターをつけるイメージで、パンに合うスープになるように油がしっかり入っていたほうがよいです。
Tips about cuisine
- 「タシュリーブ」のアラビア語(イラクの公用語)の綴りは「تشريب」。
- 「タシュリーブ」には、「浸透」や「吸収」という意味がある。
- 「sharab」を語源とする説がある。「sharab」は「飲み物」とか「ワイン」という意味だが、料理の場合は煮汁という意味になる。よって、パンに煮汁を吸わせることから「タシュリーブ」の名前がついた。
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