プレオービネグル

プレオービネグル

フランス料理の特徴の1つに、ソースを美味しく作る料理人の努力が挙げられます。フランス料理はソースが美味。この「プレオービネグル」もそうで、鶏肉を酢で煮る料理は世界各地にあるのだけど、白ワインが旨味づけになり、ブーケガルニが風味づけになり、最後はブールマニエ(バターと小麦粉を練り合わせたもの)がソースに美しい照りをもたらすなど、フランス料理の技法を幾つも含んでいます。簡単な料理だけど丁寧にソースを仕立てる、調理の楽しさと食べる美味しさの両方があります。具材がシンプルなのでフランス家庭料理としても人気で、私も自分の普段の料理に取り入れられて良かったなと思います。

材料

4~6人分):

鶏手羽元
8本
鶏もも肉
1枚
バター
大2
オリーブオイル
大1
小1
白こしょう(※1)
小1/3
にんにく
8かけ
白ワイン
100 mL
100 mL
トマトジュース
大2
砂糖
小1/3
ブーケガルニ(※2)
1つ(※2)
中力粉
大1
乾燥バジル(※3)
少々
  • ※1:白こしょうがなければ普通のこしょうでよいです。
  • ※2:ブーケガルニは市販のティーバッグ状のものを使いました。自作のものでもよいです。
  • ※3:乾燥バジルのかわりに、乾燥エストラゴンや乾燥タラゴンなどでもよいです。

調理時間

作り方

  1. 鶏手羽元は軟骨が見えているところからキッチンばさみの片方の刃を入れ、骨が少し見えるように切り込みを入れる。鶏もも肉は4ピースに切り分ける。
  2. バターのうち大さじ1を、お肉が敷き詰められるサイズの鍋(またはフライパン)に入れ、残り大さじ1を小さな容器に入れておく。
  3. 鍋にオリーブオイルを入れて中火にかけ、バターが融けたら肉を重ならないように入れ、塩と白こしょうをまんべんなく肉にふる。
  4. ときどき鍋をゆすりながら、鶏肉を返しながら焼き色をつける。
  5. その間ににんにくの薄皮をむき、鶏肉の隙間に入れる。
  6. 白ワインを入れ、いったん強火にして沸騰させ、アルコールを飛ばし、中火に戻す。
  7. 酢、トマトジュース、砂糖、ブーケガルニを入れ、水(分量外)を鶏肉が浸るように加え、フタを少しずらして乗せ、鶏肉をときどき返しながら水分を飛ばすように煮ていく。
  8. その間に、バターが入っている容器に中力粉を入れて鍋の近くに置き、バターが熱で柔らかくなったらスプーンで練り、ブールマニエを作っておく。
  9. 煮汁が1カップ分(約200 mL)くらいにまで減ったと思ったら(※厳密に計量しなくてよい)、鶏肉とにんにくを取り出し、煮汁にブールマニエを入れ、ヘラで丁寧に撹拌し、味見をして塩加減や酸味加減を好みに調える。
  10. 鶏肉とにんにくを鍋に戻し、ソースに絡め、皿に盛り付ける。
  11. 仕上げに乾燥バジルをふって出来上がり。
  12. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 手羽元を使うと軟骨などからコラーゲンが出てきてとろっとして美味しいし、もも肉を使うと柔らかくて食べやすくて美味しいです。このレシピでは手羽元8本+もも肉を4ピースに切り、合計12ピースを作ることで、1人3ピースなら4人分、1人2ピースなら6人分としました。
  • ブーケガルニがない場合、ベイリーフやパセリの茎など植物性の香りをつけるものが使えます。
  • トマトジュースのほか、トマト缶の中身をミキサーにかけたものなどが使えます。
  • 写真の付け合わせは三尺インゲンです。煮汁が煮詰まっていない頃に鍋に入れて、鶏肉と一緒に加熱したものです。
  • 生クリームを加えるレシピもあります。

Tips about cuisine

  • 「プレオービネグル」のフランス語(フランス、モナコ、フランス海外領土各国の公用語)の綴りは「Poulet au vinaigre」。
  • 「Poulet」(プレ)は鶏肉の意味。「au」(オー)は方向性を指す単語である「à」(ア)と男性名詞の定冠詞である「le」(ル)の縮約形であり、「Vinaigre」(ビネグル)は酢の意味なので、「au vinaigre」(オービネグル)は「酢仕立ての」の意味になる。よって「Poulet au vinaigre」(プレオービネグル)は「酢で仕立てた鶏肉料理」の意味になる。
  • 日本語とフランス語は「R」の音の出し方が大きく異なるので、「Vinaigre」は辞書等でもビネグルと表記はされるが、日本語の音で「ビネグル」と発音しても「Vinaigre」とは伝わらない。


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