シャハンフール

  • エリトリア料理、エチオピア料理

  • 現地表記

    :ሻሃን ፉል(ティグリニャ語、アムハラ語)

  • 概要

    :豆煮込みと野菜類とスパイスミックス

シャハンフール

北アフリカ、東北アフリカ、アラビア半島のあたりでは、行ったら絶対絶対「フール」と総称される豆料理を食べてきてほしい。ちなみにこのシャハンフールとエジプト料理で有名なフールメダメスとの違いは、食べるときにスパイスミックスであるバルバレ/ベルベレ/バルバラをかけることだそうです。これ、私も違いをつかみたくてバルバレ/ベルベレ/バルバラ抜きに食べてみたら、個人的に好みに合うのかこちらのシャハンフールの勝利!と言える美味しさでした。レモン果汁をたっぷりかけると美味しいので、十分に用意しておくことをおすすめします。

材料


<煮豆(出来上がり約5人分)>

乾燥ソラマメ(※1)
2.5 C
少々(※2)

<トッピングの例(1人分の量)>

油(※3)
大2
角切りトマト
大2
角切りししとう
大2
みじん切り紫玉ねぎ
大2
白いチーズ(※4)
大2
クミンパウダー
小1/5
バルバレ
小1/2
レモン果汁
大3
  • ※1:乾燥ソラマメがない場合、金時豆やキドニービーンズのような大きめの赤い豆がよい代用になります。乾燥豆は水で戻すと膨れるので、水煮缶などを使うときは多めに用意します。
  • ※2:味付けに使う塩の量は豆の煮込みの総量や水分量によって変わるので、味見で決めます。
  • ※3:油はサラダ油以上に旨味のある良質なものがあるとよいです。日本で市販されているものでは白いごま油がよいと思います。なければサラダ油でよいです。
  • ※4:白いチーズは現地ではフェタチーズのようなものを削りますが、カッテージチーズでも、なければヨーグルトでもよいです。

調理時間

(豆を水に浸ける時間を除く)

作り方

  1. <前日>乾燥ソラマメをたっぷりの水(あれば少々の重曹を加えて)に浸けておく。
  2. <当日>水を替え、フタができる鍋に入れ、戻したソラマメを入れ、豆が浸る量の水を入れ、強火にかけ、沸騰したらフタをして弱火にしてときどき混ぜながら30分煮て、火を止めて鍋帽子やバスタオルなどでくるんで置いておく。これを1日に何回か繰り返して豆を柔らかく煮る。
  3. <任意>ソラマメの皮が気になるならむく(写真はむいています)。
  4. ソラマメと煮汁に分け(煮汁は捨てない)、ソラマメが水っぽくなりすぎない程度に煮汁を戻し入れて煮て、煮ながら底が平らなもの(コップ、空き缶、太い麺棒など)で豆を好みの加減に潰して半ピューレ状にする(ただし完全に潰しすぎない)。煮汁が足りなくなったら適宜足す。
  5. 半ピューレ状の豆の味見をし、味気ないと思ったらごくわずかの塩を入れる(明らかな塩味をつけないようにする)。
  6. <仕上げ>1人あたり1 Cくらいの煮豆を浅い皿に入れ、油をまわしかけ、角切りトマト、角切りししとう、みじん切り紫玉ねぎ、白いチーズを乗せ、クミンパウダーとバルバレをかけ、レモン果汁をかけて出来上がり。
  7. 食べるときに全体をスプーンで混ぜ、酸味がもっとほしい場合はレモン果汁を足すなどする。
  8. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 豆を半ピューレ状にするとき、硬めにするか柔らかめにするか(つまり水分が少なめか多めか)によって出来上がりの量が変わります。ここでは出来上がりを1 Lくらいとし、また1人分を1 Cと見積もって5人分と表示しました。
  • 豆が生煮えでは台無しなので、口のなかでさらりとほぐれるまでしっかりと煮ます。そのため、煮ては加熱を止め、煮ては加熱を止め、という工程を繰り返し、さらに底が平らなもので豆を潰して半ピューレ状にします。
  • バルバレはリンク先を参照して手作りすることができます。ない場合はパプリカパウダーを小さじ1/3、カイエンペパーパウダーを小さじ1/5、その他(ジンジャーパウダー、カルダモンパウダー、こしょう、シナモンパウダーなどなど)のうちあるものを好みで少しずつふれば代用になります。
  • バルバレはクミンを含まないことが多いので、ここでは別途クミンパウダーを加えています。
  • トッピングは一例ですが、トマト・ししとう・紫玉ねぎを混ぜるととても美味しくなるので推奨します。カットしたゆで卵を乗せるレシピもあります。
  • 現地ではパンと一緒に食べることが多い料理です。よって朝食にもよく食べられています。

Tips about cuisine

  • 「シャハンフール」のティグリニャ語(エリトリアの公用語)の綴りは「ሻሃን ፉል」。
  • 「ሻሃን ፉል」(シャハンフール)の音価は「ša ha n fu lɨ」で、これを左から読む。「š」がシャの音、「ɨ」は口を閉じ気味に言うアで日本人にはウに聞こえるような音である。
  • 「ሻሃን」(シャハン)の意味は不明である。「ፉል」(フール)は豆料理の総称である。「ሻሃን」(シャハン)は、推測にすぎないがペルシャ語の「شاه」(シャー)の複数形に「شاهان」(シャハン)という「王様」とか「その類の中の筆頭」という意味をもつ単語があり、もしこの料理名の「ሻሃን」(シャハン)がそれに由来するなら「ሻሃን ፉል」(シャハンフール)は「一番美味しい豆料理」とか「豆料理キング」のような意味になる。※この点は今後も調査を続けたいと思います。
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