ドゥカナ

ドゥカナ

もとはアフリカ人からもたらされたといわれるドゥカナは、現在ではアンティグアバーブーダを中心に、カリブ海各国の伝統料理です。スウィートポテトとココナッツ(コプラすなわち白く固い内壁部分)を混ぜ、バナナの葉(現代ではアルミホイルも)で包んでゆでて作る美味しい蒸し物です。アンティグアバーブーダはさとうきびプランテーションとして栄えた歴史もあり、黒糖は国を代表する産品なのでしょう。ドゥカナには黒糖を入れて作るので、食感は「さつまいもきんとんで作るようかん」のような、どこか和菓子感覚も味わえます。しかし「ドゥカナの特に美味しい食べ方は、ソルトフィッシュ(塩漬けのタラやトマトの炒め煮)と食べること」ですって。アンティグアバーブーダ現地の雑誌に書いてありました。写真もそうしていますし、さつまいも及び黒糖の甘味と塩タラ炒めの味わいは至極美味でした。

材料

5~6個分):

ココナッツファイン(※1)
100 g(※1)
熱湯
50 mL
ココナッツミルクパウダー
大5
粉末状の黒糖
大1
ナツメグパウダー
小1/2
ジンジャーパウダー
小1/5
バニラエッセンス
3滴
さつまいも
220 g(※2)
中力粉
大8
牛乳
120 mL(※3)
  • ※1:ココナッツファインは製菓コーナーで売っているような、ココナッツの白い固形部分の細切りのようなものです。製品にもよりますが100 gはおよそ300 mLです。
  • ※2:さつまいも220 gは例えば1/2本分です。皮をむいてしっぽを取るとおよそ200 gになり、これをしりしり器でおろしておよそ300 mL、つまりココナッツファインと同量になります。
  • ※3:ココナッツファインやさつまいもの水分量によっては、加える牛乳の量が変わります。

調理時間

(調理後の放冷時間を除く)

作り方

  1. <生地準備>(もしより口当たりよくなめらかに作りたい場合は乾燥状態のココナッツファインをブレンダーで粉砕しておく。)
  2. ココナッツファインをボウルに入れ、熱湯を入れて混ぜ、フタをして1時間ほど、途中数回混ぜながら置いておく。
  3. ココナッツファインのボウルにココナッツミルクパウダー、パウダー状黒糖、ナツメグパウダー、ジンジャーパウダー、バニラエッセンスをふりかけ、全体が均一になるように混ぜる。
  4. さつまいもの皮をむき、しっぽが気になれば取り、しりしり器(目の細かいもの)でおろし、ココナッツファインのボウルに入れ、中力粉を加え、ヘラか素手で均一に混ぜる。
  5. 牛乳を数回に分けて入れ、その都度なめらかに練りながら、生地から水分がややにじんでくる程度に牛乳を加える。
  6. <包む>バナナの葉を使う場合は、25 cm四方くらいを5~6枚用意し、厚い葉脈部分は包丁でそぎ落し、コンロの火(弱火でよい)に近い位置でかざして組織が煮えた状態になるように軽くあぶる。アルミホイルの場合は25 cm四方くらいを5~6枚用意する。
  7. 鍋に湯を沸かす。
  8. バナナの葉(またはアルミホイル)に生地を1/5か1/6ずつ乗せて、縦幅が5 cmくらいになるように上下を折り畳み、次に横幅が12 cm、厚さが2 cmくらいになるように左右を折りたたむ。バナナの葉の場合は糸でしばる。
  9. 平らなところに置き、包丁の平らな部分などでペンペン叩いて両面を平らにする。
  10. <ゆでる>沸騰した湯に入れ、弱い沸騰が保たれる程度に火加減を落とし、20分ほどゆでる。
  11. ゆで終わったら取り出し、室温に冷めるまで置いておく。
  12. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 実質の作業時間はアルミホイルを使えば20分程度です。ここに、1時間の吸水、バナナの葉を使う場合の直火あぶりと糸しばりに10分、ゆで時間20分を足して1時間50分としています。
  • 現地のドゥカナはココナッツの白い内壁(コプラの部分)をすりおろして作るか、すりおろしを購入して作りますが、日本で売られているココナッツファインは乾燥して売られています。よって現地のレシピにはない工程ですが、最初に熱湯を加えて芯まで吸水させて、食感を柔らかくしています。
  • 現地のココナッツはココナッツミルクもしぼれるほど水分が残っているのですが、日本のものはそうではないので、よってココナッツミルク度を現地のものに近づけるために、ココナッツミルクパウダーを加えています。
  • 現地ではさつまいもをチーズおろしのような道具で細かくします。ここではそれに近い方法としてしりしり器を使っています。ない場合は柔らかくゆでてから潰すなどして対処します。
  • バナナの葉は芭蕉の葉でもよいです。
  • もっと甘くし、甘い分生姜のすりおろしをたっぷり加えるレシピもあります。
  • レーズンを加えるレシピもあります。
  • おやつとしても食べられる甘いものですが、カリブ海名物料理の「ソルトフィッシュ」(塩タラとトマトと野菜の炒め煮)などのおかずと合わせるのが定番です。写真もそれを真似ています。

Tips about cuisine

  • 「ドゥカナ」のカリブ海英語での綴りは「Ducana」。
  • 「Ducana」は黒人奴隷が移送されてきた時代にアフリカ人奴隷によって伝えられたとされ、アフリカ現地での呼び方がカリブ海風になまった用語であるとされる。
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