ピッグトロッター
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国
:シンガポール料理
-
現地表記
:Pig trotter(英語)
-
概要
:豚足の生姜たっぷり黒酢煮
これは、シンガポール料理を愛しシンガポール料理を愛着持って教えてくれるシンガポール人の友人が現地でごちそうしてくれた美味しい豚足料理です。それをシンガポールのレシピで作りました。日本だと豚足はすでに加熱されて柔らかい状態で売られていることが多いのですが、もし豚やイノシシの未処理の足先が手に入ったら、多分この料理が一番合うんじゃないかな。私の知人の元ラーメン屋店長はこう言います。「何でも黒酢で煮ると柔らかくなるんだ」って。足先は骨と骨が結合組織で接合しているのですが、黒酢の作用により口の中でパーツに分解できるくらい柔らかく煮え、黒酢と生姜たっぷりの味を吸っています。だから気長に口に含み、骨にまとわりつくぶるぶるねっとりしたゼラチン質を楽しみましょう。また豚足が放出する旨味によって煮汁がめちゃうまです。ごはんだけでなくお酒のつまみにもとても合う味ですし、パーフェクトコラーゲン効果でお肌の改善が楽しみです!
材料
(4人分):
- ナツメの実(※1)
- 5個
- 紹興酒(※2)
- 50 mL
- 豚の足先(※3)
- 4本(※3)
- 水
- 500 mL
- 生姜
- 100 g
- ごま油
- 大6
- 茶色い砂糖(※4)
- 大5
- 塩
- 小2/3
- 黒酢(※5)
- 200 mL
- 老抽(※6)
- 大1
- 味の素(※7)
- 小1/8
- ※1:ナツメの実とナツメヤシの実は間違えやすいので注意。
間違われやすい!ナツメの実とナツメヤシの実について - ※2:紹興酒がない場合は日本酒で代用します。
- ※3:豚の足先はイノシシのものでもよいです。料理名のトロッターは足先の部分で、泥や皮や爪の先を取った処理済みのものを使います。以下の図は羊ですが参考に。今回はイノシシ1頭分(足先4つ)で800 gありました。
パキスタン料理食材の「ボン」と「パヤ」の部位 - ※4:茶色い砂糖は、サトウキビ糖が入手しやすくて風味も良いです。
- ※5:黒酢はあれば中国産のもの。なければ日本のもの。それもなければ普通の酢で代用します。
- ※6:老抽(ラオチョウ)は黒色が濃くて塩分が低い中国の醤油ですが、ない場合は省きます。
- ※7:味の素の使用は任意ですが、使うと現地の味わいに近くなります。
調理時間
:(豚の足先の事前処理と調理後の放置時間を除く)
作り方
:
- (豚(またはイノシシ)の足先の事前処理は、皮をはがし、爪先を外し、ゆでて水気を切っておく。)
- <3時間以上前>ナツメの実に切れ目を入れて、紹興酒に3時間以上漬けておく。
- <調理開始>処理済みの豚の足先と水を鍋に入れて火にかけ、10分くらい沸騰させて火を止めておく。
- 生姜をまな板に乗せ、麺棒などで叩き割って砕き、生姜の2割くらい(あるいは好みの量)を薄切りにする。
- フライパンか中華鍋にごま油を入れて強火で熱し、生姜を全部入れ、香りが出たら茶色い砂糖を入れて混ぜ、いったん火を止める。
- 豚の足先とゆで汁を加え、再び強火にかける。
- 塩、黒酢、老抽(ラオチョウ)、ナツメを漬けていた紹興酒を入れ、漬かったナツメは種を外して入れる。
- (<オプション>このとき殻をむいたゆで卵を入れてもよい。)
- 再沸騰したら軽く沸騰するくらいに火加減を弱め、水分を飛ばしていく。
- 1時間ほど煮て、煮汁がとろっとしてきたら火を止め、味の素を加えて混ぜ、味見をして甘み加減などを好みに調え、耐酸性の容器に移して3時間以上置いてからいただきます。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- 豚の足先の処理方法は、下記リンク先で詳解しています。
- 豚の足先の事前処理が終わった段階で冷凍し、ナツメを前日に紹興酒に漬けておくと、調理の日の作業が楽です。
- 豚足としてすでに柔らかく煮られているものは入手しやすいですが、購入時点で旨味が抜けているので、未調理の豚(またはイノシシ)の足を推奨します。
- ナツメの実とナツメヤシの実は間違えやすいので注意。しかしナツメがない場合、ナツメヤシの実(デーツ)1個、そのほかレーズンや干し柿などを少々で代用することもできます。それもなければ省きます。
間違われやすい!ナツメの実とナツメヤシの実について - 紹興酒がない場合は日本酒で代用します。それもない場合はみりんを使って砂糖を減らすか、水を使います。
- 元レシピでは2種類の生姜(老姜と子姜。日本の普通の生姜と新生姜)を混ぜていますがここでは普通の生姜を1種類使うレシピにしています。
- 生姜が効いていることが美味しさのコツですが、生姜を全部薄切りにしてしまうと生姜味がきつくて大変なことになるので、生姜の2割くらいを薄切りにしています。薄切りにしたものは豚足と一緒に生姜が口に入って美味しいので、スライスする割合は好みで増減できます。
- 茶色い砂糖はサトウキビ糖が合います。普通の上白糖と黒糖を好みの割合で混ぜて使ってもよいです。茶色い砂糖には精製糖にカラメル色素を足して色付けした商品もあるので、パッケージの表記を見て自然な茶色い糖類を選ぶとよいです。
- 豚の足先とゆで汁を加えるときに強火のままだと跳ねて危ないので、いったん火を止めています。
- 老抽(ラオチョウ)は黒色が濃くて塩分が低い中国の醤油で、入れると美味しそうな黒色がつくので推奨します。ない場合は省くか、日本の醤油を入れて塩を減らします。
- この料理はゆで卵を入れて一緒に煮ることが多いのですが、調理の手間が増えるためここでは加えないレシピで作っています。作り置きのゆで卵があれば是非入れてみましょう。
- アクが出てもあまりすくわないようにします。理由はアクをすくうほど美味しいごま油まで取り除かれてしまうためです。よってあまり取らないほうがよいです。
- 味の素は長時間煮ると不味くなるので、最後に加えます。
- 豚足の小さな骨と骨は強靭な結合組織でつながっているので、煮終えてから3時間以上(できれば翌日まで)置き、組織に黒酢をしみこませます。
Tips about cuisine
- 「ピッグトロッター」の英語(シンガポールの公用語)の綴りは「Pig trotter」。
- 「Pig」(ピッグ)は豚(野生種の場合はイノシシ)、「Trotter」(トロッター)は人間で言えば手や足の甲の部位で、豚足という用語が充てられる。よって「Pig trotter」(ピッグトロッター)は「豚足」の意味になる。
- 中国簡体字表記で「猪脚醋」(チュージャオツー、zhū jiǎo cù)。
- 「Trotter」(トロッター)の解剖学的な位置については以下リンク先で解説しています。
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