パクシャスィッカム

  • ブータン料理

  • 現地表記

    :Phaksha Sikam(ゾンカ語のワイリー式表記)

  • 概要

    :干し肉と大根の唐辛子煮込み

パクシャスィッカム

パクシャスィッカムは、ヒマラヤ山脈の南麓の国、ブータンの国民食です。パクシャは豚の脂身や豚肉のことで、パクシャスィッカムはその肉を乾燥させたもののこと。でも、干し肉を意味するパクシャスィッカムを、水、大根、トマト、にんにく、唐辛子粉と共に圧力鍋で炊いた辛くて美味しい煮込みも、パクシャスィッカムと呼ばれます。ブータンは首都標高が2500 mと主要エリアはどこも標高が高く、すなわちどこも気圧が低いため台所には圧力鍋必須です。でもその点日本でなら普通の鍋で作れるので、敢えて圧力鍋は不要です。

材料

2人分):

豚の干し肉(※1)
50 g
大根
400 g
玉ねぎ
1/4個
トマト(※2)
1/2個
にんにく
1かけ
生姜
にんにくと同体積
サラダ油
大2
粗びき唐辛子(※3)
大2(※3)
小1/3
適量(※4)
  • ※1:豚の干し肉は冬の時期に、≫こちらを参考に作ることができます。
  • ※2:トマトは生トマトのほか、トマト缶の中身やトマトピューレなどを使えます。
  • ※3:粗びき唐辛子は韓国産キムチ用など辛さがマイルドなものを使います。使用量は辛さの好みによって加減します。
  • ※4:水は鍋の中で具の高さの半分くらいが浸かる量を加えます。最終的に加熱して水分がほとんどなくなるので加える量は適当で大丈夫です。

調理時間

作り方

  1. 豚の干し肉を水(分量外)に浸け、包丁で切れるくらいに柔らかくなったら3~4 cm幅に切る(戻し汁は捨てる)。
  2. 大根は皮をむいて厚さ5 mmくらいに切り、大きい場合は食べやすいサイズに切る。
  3. 玉ねぎを薄切りにし、トマトは小皿の上で粗く切り(汁は捨てない)、にんにくと生姜は細かいみじん切りにする。
  4. 小鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、にんにく、生姜、玉ねぎ、粗びき唐辛子を入れて炒める。
  5. よい香りが出てきたらトマトを入れて潰しながら炒める。
  6. トマトが潰れたら大根と豚肉と塩を入れて炒める。
  7. ひたひたの半分くらいの水を入れて、フタをして加熱を続け、ときどき中身をひっくり返しながら豚肉がふっくらするように煮る。
  8. フタをあけて煮汁のほとんどが飛ぶまで加熱する。
  9. 煮汁がなくなってきたら味見をして塩加減などを好みに調える。
  10. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 現地ではヤク肉を使っても作られる料理です。
  • 豚の干し肉は雪が降るような季節に≫こちらを参考に作っておきます。しかし干した豚肉がない場合は、豚の薄切り肉を買い、オーブンの低温や弱火にかけたフライパンなどを使って水分を飛ばします。
  • 分量に決まりはないので自由な量で作っていただけます。
  • ごはん(炊いた米)に合わせていただきます。

Tips about cuisine

  • 「パクシャスィッカム」のゾンカ語(ブータンの公用語)の綴りは現在調査中です。
  • 「パクシャスィッカム」は、ゾンカ語(ブータンの公用語)のワイリー式(チベット系文字のゾンカ語をラテン系アルファベットで表記する方式)の表記で、「Phaksha sikam」。
  • 「パクシャ」は豚の脂身または豚肉そのものの意味、「スィッカム」は「干したもの」の意味。よって「パクシャスィッカム」は「干した豚肉」の意味になる。
  • 「パクシャスィッカム」は「干した豚肉」の意味だけでなく、その干した豚肉を使って野菜と一緒に調理したものもパクシャスィッカムと呼ぶ。
  • 「シッカム」と言ったらブータン人に「スィッカム」と発音を正されたので、ここでも「スィッカム」と適切にカタカナ表記しています。
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