セビチェ
中南米の国々のうち、特に太平洋側に海と面する国には、魚介類をレモン果汁でマリネする料理が根付いています。この食文化は、太平洋を西にわたると仏領ポリネシアのポワソンクリュであり、トンガのオタイカであり、ナウルのライムコンモルであり、北マリアナのケラグエンであり、そしてフィリピンのキニラウにも通じます。いや、アフリカに起源をもつ人類は東へ移動したのですから、物事の順番を考えると逆かもしれません。いずれにしてもこの魚介類マリネは太平洋に連綿と受け継がれる食文化なのかもしれないと思うと、食文化の面白さと醍醐味を感じます。典型的なレシピでは白身魚を主体として作りますが、バリエーションとして、イカやエビを使うものも、数種類の魚介類をミックスして作るレシピもあります。
材料
(2人分):
- 白身魚(※1)
- 200g(※2)
- 塩
- ひとつまみ
- レモン(※3)
- 1個
- 紫玉ねぎ
- 1/8個
- 赤唐辛子(※4)
- 1cm
- コリアンダーの葉(※5)
- 少々(※6)
- ※1:スズキやヒラメやタイなど、刺身にしても美味しいもの、あるいは寿司のネタとしても美味しいものを選ぶとよいです。この写真は体長25cmくらいのイトヨリダイをさばいて使いました。刺身用のサクで売っているものを使ってもよいです。
- ※2:魚をさばいたあとの、白身のサクのみの重量です。魚の重量ではありません。また、2人分で200gの場合、ペルーのおしゃれレストランの分量になります。ペルーの庶民の屋台では2人で300gくらい提供されることもよくあります。
- ※3:この料理はレモン果汁の新鮮な酸味が要なので、ポッカレモンで代用は可能であるものの、代用すると随分味わいが落ちてしまいます。またレモンの皮から出るエキスも使いたいので、国産レモンを使用するほうが安心です。
- ※4:赤唐辛子は生のもの(生の冷凍でよい)を使います。ない場合は乾燥鷹の爪で代用するか、省いても構いません。赤唐辛子を省く場合はレモン果汁をもう少し増やして酸のパンチをきかせるとよいです。
- ※5:コリアンダーの葉はパクチーと呼ばれるものです。
- ※6:コリアンダーの葉は、みじん切りにして大さじ1杯くらいあればよいです。
調理時間
:30 分
作り方
:
- 白身魚のサクを1.5cmの角切りにし、ガラスのボウルに入れ、塩をふって優しく全体をあえる。
- レモンを皮ごと洗い、皮の水気をふき取り、皮の表面のエキスも混ざるように果汁をとことん搾り、ボウルに加え、優しく全体をあえる。
- ボウルの中を時折ひっくり返し、レモンの酸味を魚全体にゆきわたらせ、魚の表面を白くする。
- 紫玉ねぎを2~3mm幅にスライスしてから、長さ1cmに刻む。
- 赤唐辛子は、種を除去してから細かいみじん切りにする。
- コリアンダーの葉をみじん切りにする。
- 魚の表面が白くなったら、紫玉ねぎ、赤唐辛子、コリアンダーの葉を加え、全体をあえて、少々の時間を置いて味をなじませたらできあがり。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- ガラスのボウルを使うのは、レモンの酸と金属が反応することを避けるためです。金属製のボウルを避ければよいので、瀬戸物のラーメン丼などを使って調理してもよいです。
- レモン果汁はレモンの内部にありますが、レモンの香りはレモンの外側の黄色い皮に内包されています。よって、レモン絞りで果汁を搾る場合、圧搾に力をかけ、外側の黄色い皮のエキスも果汁に入るようにします。
- 夏の気温の高いときは、魚にレモン果汁をあわせたあと、こまめに冷蔵庫に入れ、こまめに取り出して中をひっくり返し、魚の温度が上がらないようにします。
- コリアンダーの茎をみじん切りにして加えてもよいです。
- 刺身で食べても美味しいレベルの魚のエキスと玉ねぎのエキスが混ざったレモン果汁は大変美味しいうえ、このミックス果汁を絡めた玉ねぎがまた美味しいので、汁気を皿に盛り付けてよいです。気になるなら盛り付けなくてもよいです。
- ペルー現地では白いとうもろこしをゆでたものや色の濃いさつまいもをゆでたものを添えますが、これらは日本のとうもろこしや日本のさつまいもとまるきり味わいが異なるので、とうもろこしやさつまいもを用意する必要はありません(見映えは割と似るので用意してもよいです)
- 脂の乗ったブリの切り身を使って作ったことがありますが、脂が多いと冷蔵庫で1晩寝かせてやっと魚の切り身とレモンの酸味がまとまりました。しかしそのときの美味しさったら究極の美味でした。タイを使った今回のレシピでは調理時間を30分としましたが、切り身のサイズや脂の乗り具合では、もっと時間がかかると思います。
Tips about cuisine
- セビチェのスペイン語(ペルー、チリ、エクアドル、コスタリカ、メキシコの公用語)の綴りは「Ceviche」。
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