スヴィチコバー
チェコやスロバキアを旅して、ここはお肉をよく食べる国だと思いました。この料理はチェコやスロバキアの国民食で、塊のお肉と野菜をいったん一緒に調理した後、野菜をクリーミーでレモンの酸味を感じる美味しいピューレ状のソースにして、お肉を切り分けていただくというものです。とにかくソースが絶品。お肉もくどさが抜けて絶品。お肉の中に脂身を射込む調理技術とその美味しさも感嘆ものです。
材料
(4人分):
- かたまり肉(※1)
- 500g
- 肉の脂肪(※2)
- 50g
- サラダ油
- 大1
- 玉ねぎ
- 2個
- セロリの茎(※3)
- 30g
- 大根(※4)
- 200g
- にんじん
- 200g
- バター
- 大1
- 水
- 600mL(※5)
- ビーフコンソメ
- 小1
- ベイリーフ
- 2枚
- 粒こしょう(※6)
- 5粒
- オールスパイス(※6)
- 5粒
- 乾燥タイム(※6)
- 小1/2
- 乾燥マジョラム(※6)
- 小1/2
- レモン
- 1個
- 砂糖
- 小1/2
- 塩
- 小1/2
- 生クリーム(※7)
- 1C強
- クランベリージャム(※8)
- 大4
- ※1:現地では一般的には牛サーロインや牛ヒレ肉を使うことが多いのですが、牛ローストビーフ用の肉や、豚の塊肉など、手に入る塊肉を使えば良いです。
- ※2:精肉売り場で分けてもらうか、肉売り場に置いてある牛脂など。
- ※3:現地ではセロリ風味の肥大根茎(セロリアック)を使うのですが、ここではセロリの茎でセロリ風味を加えています。
- ※4:現地ではカブの一種を使っているので、カブを使ってもよいです。
- ※5:肉がひたひたになる量が良いので、鍋のサイズなどに合わせてください。
- ※6:粒こしょうや粒オールスパイスがなければ粉末でよい。オールスパイスやタイムやマジョラムがなければ省いてよい。
- ※7:現地ではスメタナと呼ばれ、ほぼ生クリームのような無発酵(極微発酵)から比較的発酵しているものまで幅広いようなので、生クリームを基本として用い、酸味が好みな場合はヨーグルトを混ぜることで代用できます。
- ※8:なければほかの赤いジャムで代用できます。私は乾燥クランベリーを砂糖煮にしたものを使いました。
調理時間
:1 日
作り方
:
- 脂肪の塊をスティック形状に切り、塊肉に包丁を何か所か刺して、そこに射込む(差し込む)。
- 煮込みを作る鍋にサラダ油を敷き、肉の表面にこんがりと色がつくように全周を焼く。
- 肉を取り出しておく。
- 玉ねぎ、セロリの茎、大根、にんじんを粗みじん切りにして、肉を焼いた鍋に入れ、バターを追加して、茶色く色づき始めるまで炒める。
- 鍋の中の野菜をよけて肉を戻し入れ、水とビーフコンソメを入れて、肉にひたひたに水が浸るようにする。
- ベイリーフ、粒こしょう、オールスパイス、タイム、マジョラムを入れ、フタをして2時間コトコト煮る。途中お肉の上下をひっくり返す。
- 柔らかいお肉が好みの場合、鍋帽子をして1晩置き、再度加熱してもう一度鍋帽子をしばらくかけると良い。
- レモンスライスを4枚取り分けておき、残ったレモンを絞っておく。
- 生クリームから小さじ4杯を取り分けておく(ミニ泡だて器で固くしておいてもよい)。
- 鍋から肉を取り出し、ベイリーフの葉を取り出し、バーミックスやミキサーにかけてなめらかなピューレにする。
- レモン果汁と砂糖と塩と残った生クリーム(約1C)を加えて全体を混ぜ、味見をして酸味加減やクリーミー加減を調える。
- 肉をスライスして皿に乗せ、野菜ソースをかけ、レモン、スメタナ、クランベリージャムを添えて出来上がり。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- 肉に脂肪を射込むことで、お肉がとても美味しくなります。チェコやスロバキアの技を是非試してみてください。
- にんじんを入れることでソースがきれいな色になります。野菜の分量は適当で良いのですが、にんじんは省かずに入れると良いです。
- 野菜ソースを美味しくかつきれいに作るには、バターで炒めるときに茶色みがかることが大事です。
- バーミックスやミキサーにかけるときは、ベイリーフの葉を忘れずに取り除く。
- ソースがゆるいと思ったときは、小麦粉をふるい入れて混ぜながら加熱してとろみをつけます。
- 肉と野菜をオーブンで焼いて作るレシピもあります。
- 現地のスメタナは生クリームのような無発酵(極微発酵)から割と発酵しているものまで幅が広いようなので、生クリームだけをソース作りに使用してもよいです。その場合、好みの酸味にしたい場合には、ヨーグルトやレモン果汁を加えるとよいです。私は手作りのスメタナを使いました。
- 現地ではクネドリーキ(ゆでパン)とあわせ、パンにソースをたっぷりつけていただきます。
Tips about cuisine
- 「Svíčková」(スビチュコバー)はチェコ語、「Sviečková」(スビエチュコバー)はスロバキア語で、サーロインやヒレ肉など、牛の柔らかい部位の肉を指す言葉である。
- 日本では「スヴィチコバー」と表記されることが多いことから、このページでは上記2か国の言語を区別せずにを「スヴィチコバー」とカタカナ表記をしている。
- 牛肉に限定せず、上記のような調理をした場合は、広くスビチュコバーと呼ばれる。
- 「Svíčka」(スビチュカ)はチェコ語で、「Svíečka」(スビエチュカ)はスロバキア語でろうそくという意味で、「Svíčková」(スビチュコバー)/「Sviečková」(スビエチュコバー)は「ろうそくのような」という意味をもつ料理である。細長く切りだした肉がろうそくの形状であるという説を見かけるが、肉に射込む細長い脂肪が大変ろうそくに似ているし、語源の詳細は不明である。
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