アサグラシュ
エチオピアやエリトリアの料理としては知名度がなかなかないけれど、現地では結構人気なのが、白身魚のフライを辛いトマトソースで絡めるアサグラシュという料理です。アサ=魚。グラシュは例えばハンガリー料理のグヤーシュあたりから転じた外来語でしょうか。材料にはバルバレやバルバラと呼ばれる唐辛子入りミックススパイスを使い、風味良く美味しく作ります。作りたてのアツアツを食べると辛さがマックスに感じるかもしれないのと、指食する現地ではこの料理は作り置きされたものを温め直したような温度になっているので、少し室温に置いてから食べると辛さが和らいでいます。現地で食べたアサグラシュは辛い料理でしたので、ここでもその辛さになるレシピを掲載しています。
材料
(4人分):
<トマトペースト>
- トマト缶(※1)
- 400 g(※1)
- オリーブオイル
- 大2
- ※1:生の完熟トマトでもよいですがトマト缶(カットタイプ)を使うとよいです。1缶400 gのことが多いので全量調理し、調理後に半量を取り分けて使用しています。
<グラシュ(辛いソース)>
- にんにく
- 3かけ
- 玉ねぎ
- 大1/2個
- 青唐辛子(※2)
- 2本(※2)
- サラダ油
- 大3
- バルバレ(※3)
- 大1(※2)
- 塩
- 小1/2
- こしょう
- 小1/4
- ※2:青唐辛子の代用は鷹の爪です。また辛いのが苦手な場合は青唐辛子とバルバレの量を減らします。
- ※3:バルバレはリンク先を参考に手作りするか、その材料の中から手持ちのものを使います。
<アサ(魚のフライ)>
- 白身魚の切り身(※4)
- 400 g
- 薄力粉
- 切り身にまぶす量
- 揚げ油
- 揚げ物の量
- ※4:白身魚は現地(特に内陸国のエチオピア)では淡水魚を使いますが、日本では海の魚でよいです。から揚げにしても身が崩れないような魚がよいです。
調理時間
:
作り方
:
- <トマトペースト作り>トマト缶全量(400 g)の中身をブレンダーなどにかけて固形分をなくし、高さのある鍋に入れ、オリーブオイルを入れて中火で熱し、鍋底から混ぜながらペースト状に煮詰めていき、出来たトマトペーストの半量を取り分ける(もう半量は使わない)。
- <グラシュ作り>にんにくと玉ねぎをみじん切りにし、青唐辛子を小口切りにする。
- フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、にんにくを入れて炒め、香りが出たら玉ねぎを入れて炒める。
- 玉ねぎどうしがくっつくようになり、全体がもったりとまとまってきたら、トマトペーストと青唐辛子を加え、炒める、
- バルバレ、塩、こしょうを入れて混ぜ、魚のフライに絡みやすいようなソース状になるよう、必要なら水(分量外)を入れ、味見をして塩加減やスパイス加減などを好みに調える。
- <魚を揚げる>白身魚を切る。ソースが広く絡むよう、やや細長めに切ると良い。
- 切った魚の身に薄力粉をふりかけ、裏返してまた薄力粉をふりかける。
- 160℃くらいの揚げ油に入れ、表面がカリっと揚がって中まで火を通す。
- <仕上げ>グラシュのフライパンを中火にかけ、揚がった魚を入れ、全体を優しく絡める。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- 調理時間の1時間10分は、トマトペーストを作るのに30分、グラシュ(辛いソース)を作るのに20分、アサ(魚のフライ)を作るのに15分、仕上げに5分と見積もったものです。2口コンロで同時進行できればトマトペーストとグラシュを同時進行でき、そこに魚も同時進行できるので、もっと早く完成できます。
- 日本のトマトは煮詰めても真っ赤になりにくいことがよくあるので、私はトマト缶を以下リンク先のように手作りでペーストにしています。このペーストは現地で使わているトマトピューレを模して作ったもので、使いやすいです。トマト缶1つが400 g入りなので、缶1つ分でペーストを作ってその半量を使っています。
- トマトペーストを作るときは私は5 Lくらい入る大きめの鍋を使っています。中身が突沸するので小さい鍋だと周囲に飛び散るので、高さのある鍋を使い、油跳ねガードを併用することを勧めます。
- トマトやトマト缶の中身を油と煮詰めることで酸味が減り、甘みを増せるので、美味しい仕上がりになります。
- グラシュ(魚に絡めるソース部分)の味見をするとき、熱いと辛さが強く感じられるので、冷めると辛さが減ることを考慮します。
- 現地ではインジェラ(酸っぱくて薄い焼き物)、ごはん(炊いた米)、パンと一緒に食べます。
Tips about cuisine
- 「アサグラシュ」のアムハラ語(エチオピアの公用語)やティグリニャ語(エリトリアの公用語)の綴りは「ዓሳ ጎላሽ」。
- 「ዓሳ」(アサ)は魚、「ጎላሽ」(グラシュ)はシチュー類の意味だが、シチュー類には別途ワットという用語があり、敢えてグラシュをこの料理に合わせて訳すなら「具に絡むソース」のような意味になると思われる。よって「ዓሳ ጎላሽ」(アサグラシュ)は「魚の具にソースを絡めた料理」のような意味になる。
- 「アサ」を「አሳ」と書く人も結構いるのだが、「ዓሳ」のほうが正しい綴りなのだと現地の識者は教えてくれました。
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