肉骨茶(バクテー)
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国
:マレーシア料理
-
現地表記
:肉骨茶(中国福建語)
-
概要
:スペアリブと野菜と薬膳香辛料の鍋
タイ南部からつながるマレー半島はマレーシアの国土の主要部分であり、マレー半島は直近に位置するインドネシアのスマトラ島と幅の狭い海を隔てています。これが欧州とアジアの重要貿易航路であるマラッカ海峡です。そこには1000年も昔から交易に長ける中国人が福建省のあたりから多数移り住みました。マレー半島の海峡の土地に住む中国系民族は中国本土の中国人と区別する名称として「海峡中国人」(ストレートチャイニーズ)と呼ばれてきました。マレー半島のマラッカ、ペナン、シンガポール(マレーシア建国後に同盟の国家として分離独立)には「海峡中国人」が多く、港で働く人のための朝食として、食堂では肉つきの骨をドンと入れた大鍋料理を作られ、これがマレーシアやシンガポールの国民食である「肉骨茶」(バクテー)です。漢方薬のような香辛料を幾つか使うので異国の味がしますが、日本でも手に入りやすい香辛料で見事にその味と風味が再現できます。老抽(ダークソイソース)で黒く作るのがマレーシア風、醤油が薄くてこしょうが利くとシンガポール風。このレシピではマレーシア風の「肉骨茶」(バクテー)を紹介します。大鍋で作ってめいめいに取り分ける、できればそれを朝食として食べる、海峡中国人が培ってきたこんな食卓を取り入れてみませんか。
材料
(6人分):
<肉骨茶>
- 水
- 1.5 L
- 豚スペアリブ
- 400 g
- 中華スープの素(※1)
- 小1
- シナモン(※2)
- 1本
- 八角
- 1個
- クローブホール
- 3粒
- カルダモンホール
- 3粒
- 陳皮(※3)
- 1枚
- にんにく
- 1玉(※4)
- 干ししいたけ
- 1枚
- 高麗人参(※5)
- 1本
- こしょう
- 小1/2
- 塩
- 大1/2
- 老抽(※6)
- 大1/2
- 白菜
- 100 g
- 油揚げ
- 1枚
- えのき
- 1パック
- 老抽(※6)
- 大2
- 醤油
- 大1/2
<タレと薬味>
- 生唐辛子(※7)
- 1本
- 醤油
- 大3
- にんにく
- 1かけ
- ※1:こぶしくらいの大きさの豚骨が入手できれば不要です。今回は「創味シャンタン粉末タイプ」を使用しています。鶏がらスープの素で代用してもよいです。
- ※2:シナモンは1 cm幅×5 cmくらいを目安に。
- ※3:陳皮はみかんの皮を干した生薬です。事前にみかんの皮を干しておくと良いです。ない場合はレモンやはっさくなどの柑橘の皮を少々使って代用できます。
- ※4:にんにくは1玉まるごと使うので、1かけ1かけをばらさないように。
- ※5:高麗人参があれば薬膳スープとしての肉骨茶(バクテー)の価値がぐんとあがります。韓国料理食材店で売っていることが多いです。なければ省いてよいです。
- ※6:老抽(ラオチョウ)はダークソイソースとも呼ばれる中華料理の材料で、色が濃いのに塩分がさほど濃くないタイプの醤油です。中華食材店で売っていることが多いです。ない場合は日本の醤油で代用し、塩の量を減らすとよいです。
- ※7:生唐辛子がなければ乾燥タカノツメで代用します。
調理時間
:5 時間(冷却に要する時間を除く)
作り方
:
- 鍋に水、豚スペアリブ、中華スープの素を入れて強火にかけ、沸騰しそうになったら弱火にして20分ほど煮る。
- 火から下ろして冷ます。冬ならそのまま、夏なら冷蔵庫に入れるか氷水に鍋ごと漬けるかして冷やし、豚肉から出た脂を白く固まらせ、固まった油を菜箸などですくい取る。
- シナモン、八角、クローブホール、カルダモンホール、陳皮、にんにく、干ししいたけ、高麗人参、こしょう、塩、老抽を入れて強火にかけ、沸騰しそうになったら弱火にして2時間ほど煮る。アクは随時取る。
- 火から下ろして冷まし、2つ上の行程と同様にして豚肉から出た脂を除去する。
- 味見をして、塩加減、旨味加減、好みの香辛料の香り具合などを調えておく。
- 白菜を一口サイズに、油揚げを短冊に切り、えのきのいしづきを取って1束を幾つかに割っておく。
- 再度鍋を加熱し、白菜、油揚げ、えのき、老抽、醤油を入れて中火にかけ、沸騰しそうになったら火を弱めて20分ほど煮る。
- 唐辛子を小口切りにして醤油に漬けてタレを作る。にんにくをみじん切りにして薬味にする。
- 鍋を卓上に出し、取り分け、タレを小皿に入れ、にんにくを卓上に置いて出来上がり。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- 沸騰させてそのまま強火で煮込むと煮汁が濁ってしまうので、沸騰しそうになったタイミングで火力を落とし、弱火で煮ます。
- 華人(現地に住む中国系の住民)のように白いごはんを添え、また、福建省由来の文化としてお茶を卓上に出すとよいです。
- 現地では油條(ヨウティアオ)という揚げパンを添えて食べる人もいます。
- えのきが入ると上等の「肉骨茶」(バクテー)になるので、是非入れるとよいです。
Tips about cuisine
- 「肉骨茶」(バクテー)をマレー語アルファベットで表記すると「Bah Kut Teh」になる。
- 「肉骨茶」(バクテー)は、マレーシア華僑の代表的な出身地である中国福建省の言葉である。
- マレーシアの首都クアラルンプールにごく近いマレー半島西岸中部沿岸の港町をクランと言う。「肉骨茶」(バクテー)はクランが発祥と言われる。
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