豆豉蒸魚(タウシージンユー)

  • 中国料理、香港料理、マカオ料理

  • 現地表記

    :豆豉蒸魚(広東語)

  • 概要

    :魚を豆豉(発酵豆)と共に蒸したもの

豆豉蒸魚(タウシージンユー)

豆豉(トウチ)は日本でも市販されている中華の食材です。黒大豆を塩とともに発酵させたもので、旨味が非常に濃くて、本格的中華料理を作るときの味出しに役立ちます。広東語読みで豆豉蒸魚(タウシージンユー)という料理は、蒸し器に器を入れて魚と薬味を乗せ、豆豉の味で蒸し上げる料理です。食べたときに「これは超本格中華だわ!」と嬉しくなる味で、あまりに「ごはんが進む美味しさ」なので、ごはんのおかわりも用意しましょう。なお豆豉(トウチ)は塩辛いのと、メーカーによって塩気が違うのと、蒸し時間によって皿にたまる水分量が違ってスープの塩分が予測できないのですが、豆豉(トウチ)を減らすと料理名に合わなくなるので、レシピ化には最終塩分を考慮して調整したものを掲載しています。

材料

2~4人分):

魚(※1)
内臓を取って約500 g(※2)
豆豉(トウチー)
30 g
酒(※3)
大1.5
味の素(※4)
小1/10
ねぎ(※5)
魚に乗せる量(※5)
生姜
20 g(※6)
鷹の爪
0~4本(※7)
醤油
小2
サラダ油
大1
ごま油
大1
  • ※1:写真では、内径26 cmの蒸し器に直径23 cmのお皿を入れています。蒸し器に入るサイズなら大きな魚をドンと乗せても、切り身を何枚か並べても、小型魚を数尾並べてもよいです。身が白い魚がよいです。
  • ※2:魚の量を決めるときは、蒸し器を用意し、そこに入るお皿を用意してからのほうがよいです。ここでは内臓を抜いて約250 gのレンコダイを2尾使いましたが、皿に入ってフタができるなら量は加減してよいです。
  • ※3:紹興酒などがあると現地の味わいに近くなります。なければ日本酒や日本の料理用酒を使います。
  • ※4:味の素の使用は任意ですが、使うと現地の味わいに近くなります。
  • ※5:緑の小ねぎなら根もとの丈夫な部位を使います。長ねぎなら白い部分(緑が入ってもきれい)を10~15 cm使います。
  • ※6:生姜の分量をレシピに記載するのは難しいのですが、あまり短くても映えないし、この料理は生姜を多く使うのがよいので、5 cm以上の長さがとれる部分を使います。5 cm長さの千切りが20本以上作れると仕上がりも味もよいです。
  • ※7:鷹の爪はこの写真では4本使っています。中国現地のように辛味がしっかりありました。しかし辛いのが苦手な場合は量を減らします。

調理時間

作り方

  1. 魚のうろことエラを取り、腹に包丁を入れて内臓を取り出し、一度全体を洗ってからザルの上に置いて水気を切る。
  2. 豆豉(トウチ)をザルに乗せ、さっと水洗いをし、そのまま水気を切る。
  3. 蒸す皿に魚を置き、酒と味の素を小さな器に入れて混ぜてから魚の表面及び内臓が入っていた内側になすりつける。
  4. ねぎ、生姜、種とヘタを取った鷹の爪を、なるべく長さ5~6 cmにあわせて千切りにし、均一に混ぜておく。
  5. 生姜の一部を蒸す皿に「腰まくら」のように置き、その上に魚を乗せる。
  6. 蒸し器の下段に水を入れ、魚の乗った皿を入れ、ねぎ・生姜・鷹の爪を、魚に対して垂直方向に向きを揃えて乗せ、豆豉(トウチ)を乗せる。
  7. 強火にかけ、沸騰したらフタをし、蒸気が出る範囲で火加減を弱め、10分蒸す。
  8. 醤油をまわしかけて、再びフタをして5分蒸す。
  9. 小鍋にサラダ油とごま油を入れて熱し、「ジャッ」と音がするようにねぎや生姜の上に油をまわしかける。
  10. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 魚の表面や内腔(内臓が入っていた部分)に塩をふってなじませるレシピもありますが、豆豉(トウチ)がしょっぱいので、このレシピでは塩を省いています。
  • 生姜の一部を皿と魚の間に置いて「腰まくら」にする理由は、魚の下側にも味が入るようにするためです。
  • ねぎと生姜の千切りを乗せるときは、魚の全長の方向に垂直になるように、かつ、ねぎと生姜が同方向に揃うように乗せるときれいです。
  • 蒸す時、水がなくならないように、常に蒸気が出ていることを確認します。
  • 蒸す時、フタの裏についた水滴が直接皿に落ちないようにします。
  • この蒸し時間でおよそ140 mLの水分が皿にたまりました。皿はあまり浅すぎないほうがよいです。
  • 油を「ジャッ」とまわしかけるとき、跳ねると危ないので、1)新聞紙を使って盾を作る、2)フライパンの上に皿を置いたままフライパンのフタを盾にする、などの工夫をするとよいです。

Tips about cuisine

  • 「豆豉蒸魚」(タウシージンユー)の広東語(中国南方の言語、香港及びマカオの公用語)のピンインは「dau6 si6 zing1 jyu4」。
  • 「豆豉」(タウシー)は黒豆を塩とともに発酵させたもの、「蒸」(ジン)は蒸す、「魚」(ユー)は魚の意味である。よって「豆豉蒸魚」(タウシージンユー)は「魚と豆鼓(タウシー)の蒸し物」といった意味合いになる。
  • 「豆豉蒸魚」(タウシージンユー)を繁体字で表記すると「豆豉蒸魚」。
  • 「豆豉蒸魚」(タウシージンユー)を日本の漢字で表記すると「豆豉蒸魚」である。
  • 「豆豉」を「豆鼓」と書くのは誤字にあたる。
    中国調味料「トウチ」の字は豆豉(豆鼓は誤字)
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