モロスイクリスティアーノス

  • キューバ料理

  • 現地表記

    :Moros y cristianos(スペイン語)

  • 概要

    :黒豆の炊き込みご飯

モロスイクリスティアーノス

じゃじゃん!!キューバの国民食登場!! 「ムーア人とキリスト教徒」という意味の、黒豆炊き込みご飯です。日本で豆ごはんというと、和食なりの定番の味がしますが、この豆ごはんはその日本での常識を打ち破る美味しさを持っています。「ソフリート」というスペイン伝来の技術、すなわち、玉ねぎやピーマンやにんにくなど旨味と香りを出す野菜類を細かくしたものを加えて炊飯します。食べるときにはもはや野菜類は見えないのに、とにかく美味しくなっていて、これは是非レパートリーに加える価値ありの料理です。ちなみに、普段炊飯器を使っている人が、突然お鍋で炊飯するとなると失敗する要素が多いので、このレシピでは炊飯器を使うものとしました。

材料

4~6人分):

小さい黒い豆(※1)
300 mL
300 mL
ベイリーフ
1枚
玉ねぎ
1/2個
にんにく
1かけ
ピーマン
1個
豚の脂身(※2)
10 gくらい
オリーブオイル
大1
こしょう
小1/8
オレガノ
小1/4
クミンパウダー
小1/8
小1
  • ※1:この写真ではフェイジョンプレット使用。フェイジョンプレットはブラジル料理のフェイジョアーダの材料で有名な黒くて小さな豆です。
  • ※2:豚の脂身がなければ省いてもよいし、ベーコンの脂身や鶏皮などで代用してもよいです。

調理時間

(豆を水に浸ける時間を除く)

作り方

  1. <豆と米の準備>調理をする前日に、豆を水(分量外)で洗い、水(分量外)に一晩(あるいは8時間)浸ける。
  2. 調理をする数時間前に、米を研ぎ、水(分量外)に浸ける。
  3. フタのできる鍋に豆、漬け汁500 mL、ベイリーフを入れ、強火にかけて沸騰させ、弱火にしてフタをして30分(あるいは豆が柔らかくなるまで)煮る。
  4. <ソフリート用意>豆を煮ている間に、玉ねぎ、にんにく、ピーマンをなるべく細かいみじん切りにし、豚の脂身を薄切りにする。
  5. 豆が柔らかく煮えたら取り出して、ザルを使って豆と煮汁に分ける。
  6. 豆の煮汁が290 mLより多ければ煮詰め、少なければ水を足して290 mL分にする。
  7. 豆を煮ていた鍋にオリーブオイルを入れ、豚の脂身を炒めて油を出し、玉ねぎ等のみじん切りを入れてよく炒め、こしょう、オレガノ、クミンパウダーを入れて炒める。
  8. <炊飯>米をザルにあげて水気を切って炊飯器に入れ、ソフリート(香り野菜)を豆の煮汁で洗い込みながら炊飯器に入れる。
  9. 塩を加えて全体を混ぜ、味見をして塩加減を調え、豆を乗せ、通常炊飯モードで炊く。
  10. 炊けたらすぐに上下を返し、熱いうちにフタを閉じ、20分蒸らす。
  11. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • フェイジョンプレット(黒くて小さな豆)がない場合、小豆(あずき)などでも代用できますが、豆ごはんの仕上がりが赤くなり、本来のこの料理の定義とは異なります。また日本の黒豆ではサイズが大きすぎてしまいます。
  • 豆を水に浸けて戻すとき、重曹をごく少々入れたり、さびた鉄くぎを入れると色が綺麗に出ます。さびた鉄くぎを使う場合は、豆を水で煮るときも入れておくとよいです(炊飯前に取り出す)。
  • 豆を煮る時、圧力鍋を使うと速く煮ることができます。
  • 豆を煮る時、時間がかかって水が減ってしまっているようなら、水を足してもよいです。
  • 炊飯器が大きいと上手く炊けない可能性があります。その場合は炊飯器に合わせて全量を例えば2倍に増やすか、厚手の鍋で炊きます。
  • 炊飯するとき、3 cm角くらいの塊のハムを数個入れるレシピもあります。ない場合は、肉系のダシとして、コンソメ顆粒をほんの少々入れてもよいです。
  • ごはんが炊けたらすぐに上下を返し、20分蒸らします。その後、水分が多いときはバットに広げたり、米が生煮えのときは電子レンジ加熱するなどすると、良い炊きあがりに戻すことができます。
  • キューバの豆ごはんのレシピは、私が確認した現地のレシピでは、豆と米を同量用いるものも、豆が米よりも少ないレシピもあります。別途紹介するアロースコングリでは豆が米より少ないレシピとしたので、ここでは豆と米を同量使うレシピとしました。しかしどちらのレシピも豆と米のバランスは様々なので、どちらのレシピも一例にすぎず、多様な配合比で調理していただけます。

Tips about cuisine

  • 「モロスイクリスティアーノス」のスペイン語(キューバの公用語)の綴りは「Moros y cristianos」。
  • 「Moros」(モロス)はムーア人、「y」(イ)は英語のandと同様で「~と~」、「Cristianos」(クリスティアーノス)はキリスト教徒を意味する。よって「Moros y cristianos」(モロスイクリスティアーノス)は「ムーア人とキリスト教徒」という意味になる。
  • ムーア人はスペインがあるイベリア半島に南から侵攻して711~1492年まで征服していた人々。クリスチャンはイベリア半島のキリスト教徒のこと。ムーア人を肌の黒い人、イベリア半島のクリスチャンを肌の白い人として、「黒い豆と白い米」を「モロスイクリスティアーノス」と呼んでいる。


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